2022-01-01から1年間の記事一覧
「子どもたちが笑える未来をつくりたい」とSDGs活動に取り組み、地域から注目される塗装店が、盛岡市にある2005年創業の川上塗装工業(株)です(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.171 P32-33「地域の未来を塗り替える塗装店」)。 同社は、遮熱・断…
SDGsの先端を行くニュービジネスが話題になっています。花農家や生花店、式場などからロスフラワー(廃棄生花)を引き取り、ドライフラワーに加工して、商業施設や店舗の装飾に活用してもらうビジネスです。2017年に河島春佳さんが東京都渋谷区で創業した(株…
過去最多4,996件のビジネスプランの応募があった第10回高校生ビジネスプラン・グランプリについて、ファイナリスト10組を決定したと、12月1日に主催者の日本政策金融公庫から発表がありました。 激戦を勝ち抜いた10のプランは、いずれも次代を拓くセンスが光…
地方で長年営業してきた書店を女性が引継ぎ、その女性が起業家精神にあふれていたらどうなるか。その答えを示してくれたのが、兵庫県三田市でブックカフェ・オクショウを営む田村恵子さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.169 P32-35「おなか…
3店舗で年商17億円を売り上げる伝説のケーキ店ツマガリ(兵庫県西宮市)。その成功の秘訣は、「女性を大切にすること」だと、経営者の津曲孝さんは考えています(坂本光司『日本でいちばん大切にしたい会社7』あさ出版)。 両親がいなくなり貧しくなった家…
今年で10回目を迎える日本政策金融公庫の高校生ビジネスプラン・グランプリは、過去最高の4,996のプランの応募がありました。11月17日にベスト20が発表され、年明け1月8日の最終審査会に進むことになりました。 若者の創業マインドの向上を目的としたこの大…
洋菓子界で伝説的な存在となっている兵庫県西宮市のツマガリ。本店と大丸神戸店・梅田店、そしてネット販売の営業で年商17億円というすごい洋菓子店ですが、その成功の裏には、創業者のおばあさんの教えがありました(坂本光司『日本でいちばん大切にしたい…
愛する地元でお年寄りたちを支えて地域を元気にしたいと創業した女性がいます。千葉県長南町で「宅配菓子屋ほのや」を営む荒井美乃里さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.169 P16-19「地域の魅力を配達する菓子屋」)。 長南町は千葉県の中…
創業150年の歴史を持ち、フィンランドのサンタクロース村から公認された除雪機を作る中小企業が、フジイコーポレーション(株)(新潟県燕市)です。人に優しい大家族的経営で知られ、高齢者、女性、障害者、外国人にも働く場を提供しています(坂本光司『日本で…
過剰に同質化した日本社会は異物を嫌います。平均から外れた性質を持つ人材は、劣っているとされて排除されます。こうした不寛容が閉塞感を生み、社会を停滞・弱体化させています。社会の元気を取り戻すには、とんがった性質を持つ人材を認め、その良さを発…
ITを使って農業と障害者福祉を繋ぐ。そんなすごい取組みをしている会社が愛知県にあるネットアーツグループです(齋藤秀一『発達障害でIT社長の僕』幻冬舎)。 同グループを率いる齋藤秀一社長は、ご自身が発達障害グレーゾーンにあり、小さな頃から集団に…
コロナ禍で経営悪化に苦しむ飲食店の方に耳よりの情報です。自店の経営課題を洗い出して対策を考えるのに役立つガイドブックを、日本政策金融公庫が無料で配布しています。公庫ホームページに掲載されている『売上を伸ばす 利益を出す 飲食店経営力磨き上げ…
オンライン商談会を活用することで、斬新な品揃えを実現しているリアル書店があります。富山県高岡市にある(株)文苑堂書店です(日本政策金融公庫『JFC中小企業だより』vol.30)。 1946年に高岡駅前で開店した同書店は、藤子不二雄先生が学生時代に手塚治虫…
定年後はどうなるのかと不安を感じておられる年配のサラリーマンは多いと思います。そんな不安を解消してくれる本が出版されました。坂本貴志さんの『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』(講談社現代新書)です。 この本では、定年後の「事…
「女が工場をちょろちょろしてんじゃないよ」とどやされながらも、7人の子供を育てながらも、町工場をカイゼンしたいと奮起して起業した女性がいます。2018年に埼玉県川口市で創業したNANASE(株)の石田七瀬社長です(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』…
ピンチはチャンスと言いますが、現在の我が国の危機的な状況は、女性主導で復活するきっかけになるのではないでしょうか。 世界経済フォーラムが7月に発表した男女格差指数(ジェンダー・ギャップ指数2022)では、日本は146ヵ国中116位と相変わらず先進国最低…
激動のコロナ禍にあっては、小企業にも経営理念や事業計画は必要だと思われますが、実際にそれらを備えたケースはまれです。事業計画がないために、環境の変化に対応できず、苦しむ小企業は多く見られます。その課題の解決に挑戦して成功したのが、岐阜県の…
売上高、従業員数が10年前の倍になり、直近5期連続で増収増益を果たしている漆器メーカーがあります。福島県会津若松市にある(株)三義漆器店です(2022年版中小企業白書Ⅱ-126「事例2-2-6 従業員と共に働きやすい職場環境を実現することで感染症下においても5…
企業と顧問契約を結び、従業員の出産と子育てを助産師がケアするサービスを提供する女性起業家がいます。大阪市に本社をもつ(株)With Midwifeの社長、岸畑聖月さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.167 P16-19「生涯に寄り添う助産師を」)。…
企業経営を学ぶ人なら一度は目にする事例が、トヨタの社長が心酔する伊那食品工業(株)(長野県伊那市)の年輪経営です。長期ビジョンをもって商品開発に絶えず取り組み、景気の浮き沈みに関係なく成長を続けるところがすごいのですが、この年輪経営を実践して…
視覚障害者向けネイルという逆転の発想で新たなニーズを掘り起こすとともに、障害者の社会参加を進める女性起業家がいます。埼玉県上尾市でNail Le Brailleを経営する佐藤優子さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.165 P16-19「視覚障害者と…
都会から祖父母の暮らす田舎にUターンして事業を起こし、まちおこしに拡大している女性がいます(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.166 P16-19「双海町のファンを増やす」)。 上田沙耶さんは、愛媛県松山市生まれ。小学6年生の時に横浜市に引っ越…
地方創生のために移住・定住促進のさまざまな活動が行われていますが、なかなか目に見えた成果が出てこないのが現状です。そんな中、移住促進型ホテルをつくってまちづくりをしようという動きが出ています(『日本公庫つなぐ』22号)。 中国・四国地方でビジ…
92歳にしてねじの専門商社で総務課長を務める女性が大阪市におられます。 玉置泰子さんは、1930年生まれ。1956年にサンコーインダストリー(株)に入社し、以来同社で66年間働き続けています。2020年11月には「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認…
AR(拡張現実)技術を用いて遠隔で農業を体験できるサービスを始めた企業があります。神奈川県南足柄市にある(株)Root(2017年創業)です。同社はスマート体験農園システムを開発して、一般の方が家庭にいながら農業を体験できるサービスを提供しています(…
米の消費量が年々減少し、まちの米穀店に逆風が吹き続く中、顧客の好みに合わせてブレンドした米を売ることで活路を開いた老舗米穀店が岡崎市にあります。(株)渡辺米穀店です(日本政策金融公庫調査月報No.164 P32-33「常識破りの米穀店が見据える未来」)…
日本が誇るマンガのすばらしさを世界に広めるため、出版社やマンガのインターネット配信事業者向けに自動翻訳サービスを提供する企業があります。東京大学でAIによる機械翻訳を研究して博士号を取得した石渡祥之佑社長が2020年に創業したMantra(株)です。同…
経済成長の文脈の中で存在の是非が議論されている小企業ですが、社会問題を解決する主体としても期待されています。地方にあふれる高齢者、貧困母子、障害者。こうした社会的弱者を支援する役目を担うのが小企業です。働き手として引き立てながら、その人々…
我が国の小規模企業の数は1999年の423万者から2016年の305万者へと激減しています。驚くべきスピードで減少していますが、この動きを食い止めるか推し進めるかについては議論が分かれています。小規模企業白書(中小企業庁)からは「かわいそうな存在」、デ…
「どこにでもいる普通の人でも政策起業家になれる」とNPO法人フローレンスの代表である駒崎弘樹さんは言います(駒崎弘樹『政策起業家―「普通のあなた」が社会のルールを変える方法』筑摩書房)。 市倉加寿代さんは、どこにでも普通にいる、一人の母親でした…