小企業の事業計画作成を支援する商工会(岐阜県大野町)

 激動のコロナ禍にあっては、小企業にも経営理念や事業計画は必要だと思われますが、実際にそれらを備えたケースはまれです。事業計画がないために、環境の変化に対応できず、苦しむ小企業は多く見られます。その課題の解決に挑戦して成功したのが、岐阜県大野町商工会です(2022年版小規模企業白書Ⅱ-61 事例2-1-8「事業計画書の作成支援を通じて、アフターコロナにチャレンジする小企業事業者を支援する商工会 大野町商工会」)。

 同商工会は、県が設けた「アフターコロナ・チャレンジ事業者応援補助金」の申請要件である事業計画書の作成に悩む小企業を支援するため、定期的に経営計画の個別相談会を開催し、SWOT分析や決算分析を手伝いながら、経営方針などをヒアリングし、事業計画書の作成を支援しました。補助金が採択された後も経営者と連絡を取り合い、経営のフォローを行いました。その結果、補助金の採択数は県下トップになりました。

 支援した中には、売上減少に悩む墓石店に、ミニショベルカーを購入して墓じまいを受注できる体制づくりを行う計画の作成を支援し、新規顧客の開拓に結び付けたものがあります。小企業らしい小回りの利いた新分野進出を商工会が支援して成功させた事例です。

 小企業も事業計画を作ることで時代の変化への対応が容易になる、それを支援する商工会は力強い味方であると実感する話です。