2020-01-01から1年間の記事一覧

個人商店の知恵とパワーを生かすFC(コメダ珈琲店)

名古屋市に本社を持つコメダ珈琲店は、1968年に開業し、今や全国に877店を展開し、売上312億円を上げる珈琲チェーンです。その強みは、それぞれの店舗のオーナーに独立主義が浸透し、店舗ごとに独自のやり方で勝負しているところにあります(「カンブリア宮…

コロナ禍を生き残る差別化戦略(by「業務スーパー」)

コロナ禍での企業の生き残り策はどうあるべきか。多くの経営者が頭を悩ませています。その中でヒントとなる事例がカンブリア宮殿で紹介されました(11月12日)。(株)神戸物産(兵庫県稲美町)が全国に展開する「業務スーパー」の差別化戦略です。 同社は「製…

コロナ禍をファクトフルネスしてみる

ファクトフルネス(事実に基づく世界の見方)で新型コロナウィルス感染症(以下、感染症)についての誤解を考えてみましょう。数字は12月12日時点です。 【分断本能による誤解】感染者と死亡者の数がマスコミで毎日発表され、感染者が差別されています。しか…

グローバルリスクを抑えるためのファクトフルネス(byハンス・ロスリング)

世界的ベストセラーの著者で医師のハンス・ロスリング氏は、「(人類が)心配すべき5つのグローバルリスクは、感染症の世界的流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、極度の貧困であるが、世界の人々が冷静になり力を合わせて取り組めば抑制することは可能だ…

全国初!遠距離介護をふるさと納税で(鳥取県米子市)

全国に先駆けて、ふるさと納税による遠距離介護支援サービスを始める事業者が現れました。「わたしの看護婦さん」ことN.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社(鳥取県米子市。代表 神戸貴子)です。同社は、看護師資格を持つ女性たちからなり、専門家…

「起業したら、まず経理を雇う」が大事(by前田康二郎)

「起業したら、外注や副業でもいいから経理担当をまず雇おう」と経理のプロである前田康二郎さんはいいます(前田康二郎『つぶれない会社のリアルな経営経理戦略』クロスメディア・パブリッシング) 企業経営は人脈を拡大しながら金脈を拡大することですが、…

経営者の駆け込み寺「愛知県よろず支援拠点」

無料で経営相談できる国営の「よろず支援拠点」が各県に設置されていますが、その中でも「愛知県よろず支援拠点」は、相談の数とレベルの高さが国内トップレベルであると評判です。経営相談のプロ29名を擁し、ウインクあいちと県内12ヵ所の出張所で無料の経…

補助金以前に小企業の生産性革命に必要な3要素

中小企業庁が今年から「中小企業の生産性革命」を進めるため、各種補助金(ものづくり、IT導入支援、小規模事業者持続化、ビジネスモデル構築等)を整備しています。 政府が用意した生産性向上策を効果的に進めるためには、小企業における経営の基本を固め…

結局「前向きに」進む小企業の整理統合(by三浦瑠麗)

小規模企業の整理統合を主張するデービット・アトキンソン氏と人材派遣の大手パソナグループ会長の竹中平蔵氏が政府の成長戦略会議のメンバーに加わったことで、我が国の産業政策が大きな変革を迎えることとなりました。生産性の低い小企業を集約して規模拡…

資本コストで撤退ラインを見極める(by忽那憲治)

アフターコロナにおける企業経営を考える時、日本の経営者にはパラダイムチェンジが必要です。収益率を厳しく見て撤退を判断する事業展開への転換です。 「国際的に日本の廃業率は低く企業の生存率は高いが、その代わり中小企業の低収益性が際立っている。資…

コロナショック後の未来を拓く地域商社(by橋本卓典)

アフターコロナに向けて、金融機関による中小企業の本業支援の動きが本格化しています。人口減少により国内需要が縮んでいくことを踏まえ、海外市場を開拓する動きも活発です。そうした海外展開を支援するため、地域商社の役割に光が当たっています(橋本卓…

人口減少に負けない『未来を見る力』(by河合雅司)

ベストセラー『未来の年表』シリーズの著者の河合雅司さんは、最新刊『未来を見る力 人口減少に負けない思考法』(PHP新書)の中で「これから急激に進む人口減少に対応するには、戦略的に縮むことが必要」と言っています。 河合さんは「少子化は止まらない」…

家業から事業へ「守りながら変えていく」(by佐川友彦)

小企業の生産性向上が強く求められる今、小企業とその支援者に勇気を与える著作が出版されました。佐川友彦さんの『東大卒、農家の右腕になる-小さな経営改善ノウハウ100』(ダイヤモンド社)です。 佐川さんは、東京大学を卒業後、デュポンやメルカリを経…

コロナ禍で起きる金融業界の地殻変動(by橋本卓典)

「コロナ禍で最も危惧されることは、大きく傷ついた中小企業の行方だ。いずれ事業者は既存債務に加え、ゼロゼロ融資(長期の元金据置ができる実質無利子・無担保融資)の元本返済がさらに負担となる。本腰を入れた企業支援が必要となる」と、ベストセラー『…

伴走型支援のお手本!尾張旭市商工会8年間の奮闘

9月3日、名古屋駅前のウインクあいちで開催された愛知県商工会連合会主催の経営支援事例発表大会で、尾張旭市商工会の支援事例が最優秀賞を受賞しました。この事例は伴走型支援のお手本といえるものです。 有名ホテルで調理師としてキャリアを積んだ男性が、…

夢とは、他人を幸せにするビジョン

新・二人の石切り職人 昔、ある町にミエナイとミエルという石切り職人がおりました。二人とも腕がよく、工房を構え、注文を受けて一人で仕事をしていました。 あるとき、ミエナイのもとに、見たこともないほど大きな石を切ってほしいという注文が入りました…

大手家電量販店とまちの電器店を共生させる連携力(名古屋市)

8月27日のカンブリア宮殿で紹介されましたが、まちの電器店が大手の家電店と同じ仕入れ値で商品を仕入れることのできる仕組みを作った企業が名古屋市にあります。(株)コスモスベリーズです。 同社はまちの電器店としてスタートし、地域の小規模小売店をつな…

『名古屋めし』を『地球めし』に

名古屋市でも多くの飲食店が新型コロナウイルス感染症の流行にどう対処すべきか、頭を痛めています。3密を避けるために席の配置に余裕をもたせると席数が減り、稼働率が下がって売上が減少する。店舗の拡張は難しい。どうしたらコロナショックを乗り越え、…

猛暑よりアツい!『僕は君の「熱」に投資しよう』(by佐俣アンリ)

コロナ禍で経済が大きく落ち込み、日本経済をV字回復させる新産業を創出すべく、スタートアップ(ベンチャー企業)支援の機運が盛り上がっています。しかし、創業に向ける若者のモチベーションが低い我が国では、まず、若者の心に火をつけなければなりませ…

実質無利子融資の利子補給の案内が8月下旬に開始

今年3月に政府系金融機関が、5月に民間金融機関が開始した実質無利子融資(当初3年分の金利に国の補給が付く融資)について、今月下旬から利子補給の案内を開始すると、中小企業基盤整備機構が発表しました。申請書類は8月下旬以降、金融機関等から交付・郵…

アフターコロナで鳥取県が脚光を浴びる理由

新型コロナウイルス感染症の影響で人々の暮らしが変わり、新たなライフスタイルが生まれると言われています。対人関係の距離を適度に保ち、清浄な空気の流れの中で、静けさを感じながらくつろげる生活環境が求められるでしょう。そうした点で最も大きな可能…

アフターコロナの伴走型創業支援モデル(石川県七尾市)

新型コロナウイルス感染症で生活様式が大きく変わる世界では、新たなニーズに応える事業を数多く生み出すために、創業支援機関の機能強化が求められます。ワンストップで伴走型の創業支援を行い、結果を出せる機関。そのモデルとなるのが「ななお創業応援カ…

コロナ休校時に子供たちを受け入れて従業員の生活を守った工務店(岐阜県飛騨市)

今年3月、全国の学校が新型コロナウイルス感染症対策で休校となり、子供をもつ親御さんたちが困った事態に追い込まれました。仕事があるのに子供の面倒もみなければならない。仕事を取るか、家庭を取るか。この問題の解決に力を尽くした小企業が、飛騨市にあ…

『できるリーダーは失敗が9割』(by小山昇)

「人間は失敗からしか学べない。経験してきたすべての失敗から教訓を引き出し、その教訓を部下に伝えるのがリーダーの役割」とカリスマ経営者で経営コンサルタントでもある小山昇社長はいいます(小山昇『できるリーダーは失敗が9割』マガジンハウス)。 情…

コロナショックを乗り越えるための経営者のセルフチェック(by上野光夫)

DREAM GATEアドバイザーグランプリ8年連続第1位の栄誉に輝く資金調達コンサルタントの上野光夫さんが、日本政策金融公庫のホームページでコラムの連載(全5回)を始めました。テーマは「難局を乗り越え企業を発展させる セルフチェックのポイント」です。…

「縮退」から「縮充」へ

「個人の短期的願望(欲望)を追求する資本主義においては、経済が(巨大企業に)縮退していく」と物理学者の長沼伸一郎氏はいいます(長沼伸一郎『現代経済学の直観的方法』講談社)。 長沼氏のいう「縮退」とは、「エントロピー増大の法則」を経済社会に適…

中小企業の廃業を前向きに捉えるパラダイムシフト

「企業の廃業は地域の活力を削ぐため望ましくない」というのが、これまでの常識でした。その常識が変わろうとしています。 華々しい企業再生の実績で知られる冨山和彦氏は「我が国の中堅・中小企業の数が多すぎ、過当競争になっている、これを脱却するべく会…

地方が再生するカギは金融機関による伴走型支援サービス(by冨山和彦)

地方がコロナショックを乗り越えて再生するには企業の活性化が必要です。企業再生の第一人者である冨山和彦氏は「地方企業の潜在力を顕在化させるカギは地域金融機関が握っている。伴走型支援サービスを担えるからである」といいます(冨山和彦『コーポレー…

実質無利子融資の利子補給を受けるには

コロナショックで苦境に立つ中小企業・個人事業者を支援する目的で、3月に政府系金融機関が、5月に民間金融機関が始めた実質無利子・無担保融資ですが、無利子とするためには利子補給を受ける手続きが必要です。 政府系金融機関の実質無利子融資の場合、融資…

コロナショック下で企業の生死を分けるもの(by冨山和彦)

JALやパイオニアなどの企業再生を行ってきた冨山和彦氏は、経済危機において企業の生死を分けるものは、手元流動性の潤沢さ、金融機関との信頼関係、稼ぐ力と自己資本の厚みであると言います(冨山和彦『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』)…