大手家電量販店とまちの電器店を共生させる連携力(名古屋市)

 8月27日のカンブリア宮殿で紹介されましたが、まちの電器店が大手の家電店と同じ仕入れ値で商品を仕入れることのできる仕組みを作った企業が名古屋市にあります。(株)コスモスベリーズです。

 同社はまちの電器店としてスタートし、地域の小規模小売店をつないでボランタリーチェーンを作り、(株)ヤマダ電機と提携して卸値で仕入れる態勢を築きました。加盟店は、10万円の加入料と月会費1万円でヤマダ電機と同じ品揃え、ほぼ同じ仕入価格、在庫をもたなくてよくなる、新製品情報も提供されるメリットが得られます。引越し業者が加盟して引越しの際の買い替え需要に対応するなど他業種の加盟も多く、加盟店は78業種、1万1,446店に上ります。小規模企業の手厚いサービスに大手家電量販店並みの激安価格を加えることで業績を大きく伸ばしています。

 ピーク時の1985年には7万1,000店以上あったまちの電器店が、現在は1万6,000店(売上シェア5%)まで減少している中、コスモスベリーズは連携力を発揮して、まちの電器店に元気を与えています。同社の加盟店は、単に廉価で商品を販売するだけでなく、様々な付加価値を付ける工夫をしています。居酒屋風の店づくりで酒やおでんを提供する電器店、新製品の使い方教室などのイベントで集客する電器店、住宅メーカーや人材派遣業と連携して地域の問題を解決する電器店など。

 「売買差益だけで儲ける小売業は古い。生きがいを求める人を応援する小売業を作りたい」と、同社の創業者である三浦一光氏は言います。業界の常識を覆した同社の挑戦がこれからも進むことに期待しています。