我が国の起業家支援をリードする日本公庫のプロジェクトX

 日本経済新聞で取り上げられましたが、4月1日から日本政策金融公庫の無担保無保証人での起業家向け融資の限度額が7,200万円に引き上げられました(改正前は3,000万円)。このインパクトは大きいものがあります。

 公庫は「新創業融資制度」という名称で2001年から無担保無保証人条件での起業家向け融資を始めました。当時は、ハイリスクな制度ということで限度額150万円からスタート。金融界の暴挙とも思われた制度は、周囲の心配をよそに、順調に実績を伸ばしました。融資でありながら投資のような条件で資金を提供する画期的な制度は、国内の起業家向け資金提供を促進する起爆剤となり、毎年、数多くの起業家を生み出してきました。起業前または起業直後で決算書作成未了の状態にある起業家への公庫の融資は、年間で2万6千に上ります。

 そして「新創業融資制度」の創設から23年が経過して、ついに限度額が7,200万円に到達しました。表立って語られることはないですが、起業家支援における公庫の貢献は、コロナショック対応と並んで、我が国の金融史に刻まれてよいものです。

 今回、日本公庫が起業家支援にいっそう大胆に踏み込んだことで、我が国のスタートアップ・ブームがより加熱することでしょう。