コロナショック後の未来を拓く地域商社(by橋本卓典)

 アフターコロナに向けて、金融機関による中小企業の本業支援の動きが本格化しています。人口減少により国内需要が縮んでいくことを踏まえ、海外市場を開拓する動きも活発です。そうした海外展開を支援するため、地域商社の役割に光が当たっています(橋本卓典『捨てられる銀行4 消えた銀行員 地域金融変革運動体講談社現代新書)。

 みちのく銀行から北海道銀行に転職した天間幸生さんは、2015年に北海道総合商事(株)を設立しました。ロシアで温室野菜工場の建設、ホテル建設、空港のターミナル改修事業に参画、国営郵便会社と提携しました。ベトナムで高糖度トマトのハウス栽培、シンガポールでコンビニを通じた道産品の販路開拓、モンゴルで温室野菜工場を建設、道産米の中国輸出に乗り出しました。

 さらに天間さんは2020年3月に北海道総合商事(株)を退職し、地域商社支援会社(株)RCG(Regional Company Group)を4月に創業。地域企業の海外販路拡大、地域金融機関の地域商社活動支援、農業産地連携に取り組んでいます。6月に山口フィナンシャルグループみちのく銀行沖縄銀行との提携を発表しました。

 金融機関と地域商社が連携して支援することで、中小企業の海外展開が進むことを期待しています。