企業で働く女性を助産師がケアするニューサービス

 企業と顧問契約を結び、従業員の出産と子育てを助産師がケアするサービスを提供する女性起業家がいます。大阪市に本社をもつ(株)With Midwifeの社長、岸畑聖月さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.167 P16-19「生涯に寄り添う助産師を」)。

 岸畑さんは、助産師という仕事を再定義し、企業と契約して、そこで働く女性従業員の妊娠・出産、育児、職場環境の改善など、女性とその家族を支援するサービス「The CARE」を2019年から提供しています。

 「The CARE」では、企業1社に3人以上の助産師がつき、メールやオンライン会議システムで女性従業員やその家族からの相談を受けます。自宅を訪問して直接アドバイスしたりもします。遠隔地に勤める女性従業員に対面でケアが必要な場合は、助産師ネットワークを通じて近所にいる助産師を派遣することで、全国規模の企業にもサービスを提供しています。助産師は看護師資格の取得が義務づけられているため、相談者は安心して相談できます。

 助産師による企業向けサービスは、女性従業員の働く環境を整備する助けになるということで、同社は2021年に京都府女性起業家大賞の「京都府知事賞 子育て関連事業賞」を受賞しました。

 同社のサービスが広く認められ、働く女性の活躍の場が増えていくことを期待しています。