手仕上げのクリーニングと障害者雇用を実現(福岡市)

 サービスの高付加価値化と人材確保を両立させてコロナ禍を生き抜くクリーニング店が福岡市にあります(坂本光司もう価格で闘わない-「より安く!」は誰も幸せにしないあさ出版)。

 (有)プラスアルファは、1985年創業、資本金300万円、社員50名のクリーニング店です。顧客には地元の有名ホテル、老舗百貨店、イベント興行会社、有名タレントをもつ芸能プロダクションが名を連ねています。価格は業界平均の3倍以上ですが、手仕上げ、24時間365日営業が評判となり、安定して顧客を確保しています。

 後発の同社が成長できたのは、独自の染み抜き技術で有名ホテルからの難しい注文に対応したことで信用ができ、そこから手仕上げの良さを広めることができたためです。手間のかかる手仕上げ作業を担う従業員の8割は障害者です。障害をもつ従業員の育成に手間を惜しまず取り組んだ結果、根気のいる仕事で集中力を発揮し、同社の基盤を支えています。

 小川行治社長はホームレスを経験した苦労人で、「世の中には働きたくても機会を与えてもらえない人がいる」不条理を正したいという想いから、障害者雇用に真剣に取り組みました。それが見事に花開いて、現在の成功があります。

 障害者雇用によって高付加価値サービスを実現するというすばらしい取り組みは、多くの中小企業の励みになると思います。