現代はVUCA時代と言われる予測不能な時代です。そんな今だからこそ、小企業にも経営を安定的に行うための経営計画が必要です。最近のトレンドとして、小企業経営者が頼りにしているのが、山元浩二氏(日本人事経営研究室(株)代表取締役)です。氏が著した『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)は、ビジネス書の隠れたベストセラーに名を連ねています。
同書の中で、山元氏は、経営計画策定の3つのポイントを指摘しています。(1)5年以上先までの「数値目標」を立てる、(2)「戦略」を具体化する、(3)「人材育成計画」を盛り込む、です。いずれも重要なポイントです。
先行きが不透明だからこそ、5年スパンの中期ビジョンが必要です。何を目指すのかを明確にしていないと動きが取れません。そのうえで目標を達成するための戦略を立てる。戦略は、目標がなければ立てられませんから、この中期目標を立てて戦略を立案するのは合理的です。そして、その戦略を実現するための人材を育成する。小企業で人材育成計画まで立てているところは少ないですが、「企業は人なり」というように人材は最も重要な経営の要素です。小企業であっても、計画的に人材を育成する必要があります。
山元氏の指摘は、目新しくはないですが、重要なものであり、実践が難しいものです。これができれば小企業は激流の時代を生き抜いていけるでしょう。
多くの小企業が山元氏の教えを実践して、VUCA時代をたくましく乗り越えていくことを期待しています。