将来の予測が困難なVUCA時代を迎えて、起業も一筋縄ではいかなくなっています。どれだけ計画を練って起業しても、状況が瞬時に変わり、事業を軌道に乗せることが容易ではないからです。その点をカバーし、無理のない起業法として注目されているのが「エフェクチュエーション」です(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.185 P36-41「エフェクチュエーションによる企業成長」)。
「エフェクチュエーション」は、インド人経営学者のサラス・サラスバシー氏が提唱した理論で、優れた起業家が行っている意思決定プロセスや思考とされています。
「エフェクチュエーション」には5つの原則があります。
・手中の鳥の原則
手持ちの手段を活用して「何ができるか」を発想する。
・許容可能な損失の原則
うまくいかない場合の損失の許容可能性を評価する。
・クレイジーキルトの原則
コミットメントしてくれそうなあらゆる人とパートナーシップを構築する。
・レモネードの原則
偶然を梃子にして積極的に活用する。
・飛行機のパイロットの原則
状況に応じて臨機応変に行動し、コントロールによって未来を創り出す。
予測不能な時代の起業法として、多くの起業家の成長に役立つことを期待しています。