政策起業家が児童扶養手当と保育士の給与引き上げを実現

 ひとり親を救う活動を政策起業家がリードしました。

 NPO法人フローレンスの代表である駒崎さんは、ひとり親の児童扶養手当てが低すぎる問題に取り組み、2015年に「ひとり親を救えキャンペーン」を起こし、ネット署名を4万近く集めて菅官房長官に手渡し、36年ぶりの児童扶養手当引き上げ(ひとり親家庭には倍増)を実現しました(駒崎弘樹政策起業家―「普通のあなた」が社会のルールを変える方法筑摩書房)。

 「保育園落ちた日本死ね!!!」の匿名のブログ書き込みがあったことから待機児童問題にも取り組み、安倍総理に保育士の処遇改善を訴え、2017年に保育士の給与アップ(全保育士2%アップ、副主任クラスに4万円増、経験3年以上の若手の一部に5,000円アップ)を実現しました。

 駒崎さんは、国家戦略特区制度を活用して、それまで年1回だった保育士試験の試験回数を年2回に増やすことも実現しました。2014年に「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案」に、2回目の試験で合格した保育士を「地域限定保育士」として認めることを盛り込みました。2015年から神奈川・大阪・沖縄・千葉で地域限定保育士試験をスタートさせて、好評だったことから、2016年に全国で保育士試験の2回化が始まりました。

 ひとり親を孤立させてはいけないとの問題意識から政策起業家が解決に取り組み、大きな結果をもたらしました。同じ問題意識を持つ他の方々にも励みにしていただきたいと思います。