スマホで農業を体験できる技術で農家と消費者がコラボ

 AR(拡張現実)技術を用いて遠隔で農業を体験できるサービスを始めた企業があります。神奈川県南足柄市にある(株)Root(2017年創業)です。同社はスマート体験農園システムを開発して、一般の方が家庭にいながら農業を体験できるサービスを提供しています(日本政策金融公庫調査月報No.164 P42-45「畑をたくさんの笑顔を育む舞台に」)。

 利用者は、スマート体験農園システムのアプリをスマホにダウンロードして遠く離れた農園とつながることで、家庭にいながら農家と協働して農業を体験し、収穫物を手に入れることができます。家庭菜園をしたいがマンション住まいでできない方、農業を体験できる畑が近所にない方、畑の世話を毎日する時間を確保できない方、家庭菜園をするには体力的に厳しい60歳以上の方などが利用しています。

 農家の新たな収益源となることから自治体も注目し、兵庫県静岡県の農家にも導入されています。

 農家と消費者をAR技術で結んでコラボさせることで、新たな価値を生み出す同社のサービスは、農業の魅力を大きく高めるものとして期待されています。