統廃合の危機に立つ医療機関に必要なバリューイノベーション

人口減少で患者と医師の不足が同時に進み、地域の医療機関の統廃合が進んでいます。地域住民にとっては、生活の根幹に関わる重大事であり、病院がなくなることで人口流出が進むかもしれない自治体にとっても危機的な事態です。 この問題に対する国の対応は、…

農家民宿で外国人観光客に日本の深みを感じさせる女性起業家

京都府北部の福知山市で農家民宿「ふるま家」を営み、外国人観光客に日本文化を体験してもらう事業に力を注ぐ女性起業家が、沢田さやかさんです。 沢田さんは、2009年に横浜市から福知山市に移住して、2012年に農家民宿を開業しました。移住を決断した理由は…

兵庫県が描くシリ丹バレー構想が狙う地域発イノベーション

兵庫県丹波地域にシリコンバレーのようなシリ丹バレーを創ろうというプロジェクトを2020年度から県が進めています。丹波市、丹波篠山市、丹波市商工会、丹波篠山市商工会、関西学院大学、まちづくり協議会と連携して、地域発イノベーションが次々と起きる地…

警察官がボクシングジムを創業した納得の理由(滋賀県)

警察官が脱サラしてボクシングジムを開業したと聞くと、驚かれる方が多いと思います。「しが草津ボクシングジム」を経営する山田盛生さんは、元警察官です。2018年に創業しました(よろず支援拠点HP「全国の支援事例」)。 山田さんは元々、プロボクサーで…

SDGs未来都市から組子建具の技術を発信する小企業

SDGs未来都市に選定された岡山県真庭市に、伝統的な組子細工の技法で建具を作り、全国に知られる小企業があります。高速道路も走行できる「木製スーパーカー」を2007年に製作し、その技術力を全国に名を広めた(株)佐田建美です。社長は、自身も建具職人…

女性社員比率7割超の寄り添うハートフルなリフォーム会社

女性が社長を務め、かつ従業員の7割超が女性というリフォーム会社が福岡県太宰府市にあるイエノコト(株)です。同社は従業員15人のうち女性が11人を占めます。社長は、建設会社に40年間勤務してきた淀川洋子さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報…

ジェンダーギャップ解消に挑戦する小さな世界都市(豊岡市)

6月21日に世界経済フォーラムが発表した日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で過去最低となりました。男女格差の大きさが日本の経済・社会の低迷を招いていると長年、言われながら解決の道筋が見えていない現状です。そんな中で地域を上げてジェン…

看護師の負担をスマホアプリで軽くする女性起業家

長時間労働で苦労する看護師をサポートしたいとの想いで、看護支援のスマホアプリを開発した小企業が(株)OPERe(東京都)です。社長は看護師と病院経営コンサルタントの経験を持つ、澤田優香さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.178 P16-19「…

女性特有の健康問題を解決するフェムテックで創業

女性特有の様々な健康問題は、しばらく前まで公に語ることがタブー視されてきました。その後、女性活躍推進の機運が高まり、女性の働きやすさが地域活性化につながる、女性の健康問題を解決することも必要との問題意識が高まり、その分野での起業が目につく…

インナーブランディングで地元に学生を引き留める小企業

滋賀県に3万人いる学生の県外流出を抑えて、地域を元気にしたいとがんばる小企業が(株)いろあわせ(彦根市、2015年創業)です。社長の北川雄士さんは、彦根市出身で、大手広告代理店やITベンチャーでの勤務を経て、Uターンしてきました(関西広域連合HP『スモ…

京北に伝統工芸ビレッジを作る夢を追う木工業ベンチャー

手工芸の技を極めたオリジナル技術「立体組子細工」を使って、豪華な建物の内壁を華麗に飾り立てるのが、京都市にある(株)村山木工です(関西広域連合HP『スモールビジネスの情報発信』)。施工例にはザ・リッツカールトン東京、パレスホテル東京、グランド…

若者のための地方創生を目指す京都のまちづくりベンチャー

自分が生まれ育った故郷・京都府与謝野町に誇りを持ち、元気にしたい。地域活性化の旗振り役になりたいという熱い気持ちをもって、まちづくり会社(株)ローカルフラッグは、2019年に創業しました。社長は濱田祐太さんです(関西広域連合HP『スモールビジネス…

看護・介護用シミュレーターで訪問看護を支援する小企業

看護・介護の人手は慢性的に不足するとともに、その人材育成も大きな課題となっています。その課題に挑戦し、看護・介護に携わる人が喀痰吸引・経管栄養注入を練習できるシミュレーター「メディトレくん」を製造販売するのが、神戸市の(株)ナースあい(2013…

薬局をDX化するAIアプリを提供するスモールビジネス

AIにより処方箋入力や薬剤監査を機械化して薬剤師の作業を軽減し、接客に集中することで、経営効率を向上させる「京都の薬局プロジェクト」を推進するのが、京都にあるスモールビジネス(株)Geek Guildです。花村慎介さんと尾藤美紀さんが2018年に立ち上げ…

世界目線で社会をよくする若者を育てるオンライン国際交流

「世界共同で社会問題の解決に向けて働きかけ続ける未来をつくる」という理念を掲げ、オンライン国際交流授業を行うスモールビジネスが、神戸市にある(株)With The Worldです。五十嵐駿太さんが2018年に立ち上げました(関西広域連合HP『スモールビジネスの…

元気なスモールビジネスモデルの情報を発信する関西広域連合

東京一極集中の是正を目指して活動する関西広域連合(構成団体:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市)は、スモールビジネスの情報発信にも熱心に取り組んでいます。 「スモールビジネスは、地…

日本初!縮充戦略アドバイザーを置いた兵庫県佐用町

今年4月、兵庫県佐用町は、新たなまちづくりを専門で行うポスト「縮充戦略アドバイザー」を設置し、まちづくりシンクタンクRoofの佐伯亮太代表を任命しました(5/31神戸新聞NEXT)。 人口や税収が縮小しても住民の生活を充実させる「縮充」を実現するために…

知られざる創業エコシステムが藤井聡太名人の地元にあった

今月1日に将棋の史上最年少名人となった藤井聡太さんの地元、愛知県瀬戸市には、創業を次々と生み出すコミュニティがあります。 2008年からスタートした「せと・しごと塾」は、市役所、商工会議所、大学、地元企業、金融機関などが協力して創業者を支援する…

地域で解決すべき課題はやはり起業・創業支援

2023年版小規模企業白書(Ⅱー36)には、自治体が解決したい地域課題が掲載されています。三大都市圏ではトップが起業・創業支援、次が公共交通機関の縮小、三大都市圏以外ではトップが公共交通機関の縮小、次が起業・創業支援となっています。ここからわかるの…

高校生の学びを深めるビジネスプランコンテスト応募

高校の授業でビジネスプランの作成について学ぶ機会が増えています。その学習効果を高めるためにお勧めしたいのが、ビジネスプランコンテストへの応募です。コンテストへの応募という具体的なゴールが見えると、教える側も教わる側もモチベーションが上がり…

起業の収支計画を立てるときに注意したいこと(高校生向け)

ビジネスプラン作成授業で最も手がかかるのが、収支計画の作成の部分です。これが難しいのは、どこまで計画を細かく詰めるべきかがわかりにくいからでしょう。 収支計画は、「売上高-売上原価-経費=利益」の各項目を具体的な根拠に基づいて肉付けしていく…

ビジネスアイデアを考える時に注意したいこと(高校生向け)

最近では、日本をよくするために、高校生からビジネスアイデアを募集する動きが活発になっています(日本政策金融公庫の『高校生ビジネスプラン・グランプリ』など)。授業の一環として、ビジネスプラン作成に取り組む高校も増えており、問題解決力が鍛えられ…

高校生がビジネスプランを作成する意義はとてつもなく大きい

最近では、高校の授業でビジネスプランの作成について教えるようになりました。これには大きな意義があります。 今、小中高校では、アクティブ・ラーニングの手法を用いて、生徒に「自分の頭で考えて行動すること」を教えています。その際、先生方を悩ませる…

バスケの面白さを伝えて日本を元気にする女性起業家

日本のアニメ映画「SLAM DUNK(スラムダンク)」が韓国や中国で大ヒットして現地の人々を元気にしていますが、日本国内でも、バスケの面白さを伝えて日本を元気にしたいという女性が活躍しています。東京オリンピック女子バスケットボール日本代表キャプテンの…

DXで稼げる女性を育て上げるICT業界の凄腕女性起業家

女性がICT業界でキャリア形成できるように教育サポートしていきたい。その想いを形にするために高橋そのみさんが仙台市で創業した会社が、(株)meguruです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.175 P16-19「女性のキャリアを底上げする伴走者」)。 …

買い物難民のお年寄りをITで支援する女性シニア起業家

お年寄りだけで暮らす世帯が増えたことにより、買い物に苦労される「買い物難民」が増えていることが全国的に問題になっています。自身も高齢者であることからこの問題を切実に捉えて解決するために会社を起こされた女性がいます。茨城県日立市にあるコンプ…

女子行員が工務店を立ち上げて家づくりをサポート(仙台市)

東日本大震災からの復興のリード役が期待される仙台市で、地元を元気にしたいと建設業界で起業した女性がいます。(株)いけがみを経営する池上和代さんです(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.174 P16-19「多様なキャリアで家づくりをサポート」)。 …

PDCAよりもOODAループで評価される中小企業の現場力

長期的に定型業務を回していく際に有効とされるPDCAサイクル(Plan計画、Do実行、Check評価、Action改善)ですが、年度計画に従うだけでは変化する状況に対応できない現在、新たな行動様式が求められています。そこで注目されているのがOODAループです…

研修生の私が統計の謎を解いて一瞬だけ有名になった話

この4月に日銀総裁に就任される高名な経済学者の方のニュースを見て、昔、この方のおかげで自分も一瞬だけ有名になれたことを思い出しました。「今だから話せること」です。 30年ほど前、某シンクタンクに研修生として派遣された私は、経済の長期予測につい…

子供の足を鍛える長木保育下駄

弱りがちな子供の足を強くする木製履物を製造する小企業が、愛媛県の長浜町にある(有)長浜木履工場です(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.174 P30-31「伝統的な木製履物を次の世代へ」)。 足裏のアーチを復活させ、体のゆがみを取り、心も落ち着か…