お年寄りだけで暮らす世帯が増えたことにより、買い物に苦労される「買い物難民」が増えていることが全国的に問題になっています。自身も高齢者であることからこの問題を切実に捉えて解決するために会社を起こされた女性がいます。茨城県日立市にあるコンプラス(株)の代表、佐藤みどりさんです(日本政策金融公庫 全国創業事例集story『シニア世代の課題解決型創業「買い物困難者をサポート」』)。
佐藤さんは、2019年にシニア世代の3名で会社を立ち上げ、買い物支援サービスを始めました。最初は、スーパーの折り込みチラシを使って注文を受け付けていましたが、チラシに載っていない商品も求められることや、大勢の顧客からの注文を受け付ける態勢になっていなかったことから、「買い物プラットフォーム」というポータルサイトを開発して、受注することにしました。
しかし、顧客となるお年寄りのほとんどがスマホを持っておらず、自力で注文することができないという課題にぶつかりました。そこで、コンプラス(株)の社員がご用聞き訪問してスマホを見せて注文してもらうという寄り添い型のサービスを行うことにしました。今では「訪問サポーターとスマホを見ながら買い物する訪問型」「自分でスマホを使って買い物するネット型」「タブレットでコンシェルジュと話しながら買い物するタブレット型」の3種類のサービスを選べるようになっています。
日立市で始めたこのサービスは、県内の大子町や常陸太田市、福島県のいわき市や伊達市、兵庫県の神戸市などへも広がることになりました。
お年寄りの暮しの問題を解決する買い物支援サービスは、これからさらに全国に広がることが期待されています。