女性特有の健康問題を解決するフェムテックで創業

 女性特有の様々な健康問題は、しばらく前まで公に語ることがタブー視されてきました。その後、女性活躍推進の機運が高まり、女性の働きやすさが地域活性化につながる、女性の健康問題を解決することも必要との問題意識が高まり、その分野での起業が目につくようになりました。その代表が2019年に創業したfermata(株)です(日本政策金融公庫総合研究所『調査月報』No.176 P16-19「女性が生き生きと暮らせる世界を目指して」)。

 同社は国内外800社以上のフェムテック関連企業とネットワークを持ち。フェムテック商品の卸売やセミナー・コンサルティング事業などを行っています。2019年から毎年Femtech Fes!を開催し、フェムテックの普及に努めています。その甲斐あって、フェムテックの市場規模は毎年拡大しています。

 社長である杉本亜美奈さんは、幼少期をタンザニアで暮らし、イギリスの高校に通った経験を持つ国際感覚あふれる女性起業家です。子供の頃にみた絶対的貧困の光景が、杉本さんの起業家精神の核になっているように思えます。市場の拡大をさらに推し進めるべく、母校の東京大学とも連携してフェムテックの新しいプロジェクトを複数進めているとのことです。

 国際派の女性起業家による世直しは、SDGsの波に乗って、世界規模で広がっていく予感がします。