「女性の、女性による、女性のためのビジネス」でまちづくり

 誤解を恐れずにいえば、地方創生が思うように進まない原因は、女性を尊重したまちづくりができていないことでしょう。20~30代の女性が魅力を感じ、そこで一生暮らしてみたいと思わせるまちになっていないために、地域から女性が流出し、衰退に歯止めがかからないのです。
 では、女性を尊重したまちづくりは、どのようにしたらできるのでしょうか。それは、女性が働きやすい環境を整備することであり、「女性の、女性による、女性のためのビジネス」を増やすことです。例となるのが美容業です。人口減少時代を迎えてほとんどの業種の事業所が減少する中、美容所は一貫して増え続けています。2008~2018年度でみても221,394→251,140と10年で13.4%も増えています(厚生労働省衛生行政報告例』)。女性の美へのニーズを満たすビジネスは成長産業なのです。
 女性の美へのニーズを満たすビジネスをビューティビジネスとして定義し、その集積を作れば、女性主導のビジネスの集積地ビューティタウンができます。稼働率が高まり、規模の経済性が働いて、生産性が向上します。女性の手で女性が稼げるまちができます。
 ビューティータウンは、総合的で循環的な持続可能性をもつまちです。美とはバランスが取れていることであり、ビューティタウンは、バランスの取れたまちであることを意味します。女性と男性、健常者と障害者、若者と高齢者、日本人と外国人が環境に配慮しながら資源を循環させてバランスよく暮らすまち。それがビューティタウンです。
 美(≒バランス)を追求するというコンセプトで地域が一丸となってまちづくりに取組み、「女性の、女性による、女性のためのビジネス」でまちづくりに成功すれば、SDGsを達成するすばらしい地域ができるでしょう。