「女性が活躍できるまち」が生き残る

 世界経済フォーラム(世界情勢の改善を目的とする国際機関。本部はスイス)が12月16日に発表したジェンダー・ギャップ指数では、日本は世界153ヵ国の中で121位となり、過去最低を更新しました。中国(106位)、韓国(108位)より下です。世界的にみて男女の格差が極度に大きいうえに、格差が拡大している可能性があるということです。
 男女格差が特に大きいのは、中等教育(中学校・高校)、高等教育(大学・大学院)、労働所得、政治家・経営管理職、教授・専門職、国会議員数です。よく言われる「ガラスの天井」(女性等のキャリアアップを拒む不可視の壁)があるように見えます。
 日本では、1999年に男女共同参画社会基本法が施行され、女性の社会参加を進める様々な施策が取られてきました。しかし十分な効果が表れていないようです。今や母子家庭の数が123万世帯に上り、多くが低所得で、そこで暮らす子供の貧困が社会問題になっています。
 日本に存在する相対的貧困の象徴とされる母子家庭の貧困ですが、この問題の原因は、(母子家庭になった理由の8割が離婚であることをもって)母親にあるというよりも「ガラスの天井」にある。それをジェンダー・ギャップ指数が表わしていると読むべきではないでしょうか。
 国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)で貧困のない地域づくりが求められていますが、その第一歩は女性活躍への真剣な取組みだと思います。