インナーブランディングで地元に学生を引き留める小企業

 滋賀県に3万人いる学生の県外流出を抑えて、地域を元気にしたいとがんばる小企業が(株)いろあわせ(彦根市、2015年創業)です。社長の北川雄士さんは、彦根市出身で、大手広告代理店やITベンチャーでの勤務を経て、Uターンしてきました(関西広域連合HP『スモールビジネスの情報発信』)。

 同社のコンセプトは、「ひとあわせ」(人材の採用)、「ものあわせ」(特産品のPR)、「まちあわせ」(まちの魅力発信)で地域を元気にすることです。特定の事業モデルを持たずに、面白そうと思ったことに、次から次へと取り組みます。滋賀の求人メディア「しがと、しごと。」制作、合同企業説明会企画・運営、人材育成研修、インターンシップ企画・運営、企業向け採用パンフレット・WEBサイト・動画の企画制作、滋賀の就活お客立ちサイト「tama-go」運営、人事採用担当者向けコミュニティ「しがと、じんじ。」運営、シティプロモーション企画・運営、滋賀移住計画・移住体験実施、地域活性化のワークショップ運営、洋菓子店「cone-cone.」運営、フリースクール「POST」運営、など。

 「最終的な目的は、市民一人ひとりが『このまちが好き』と気づくこと。市民が積極的にまちをよくするためのインナーブランディングです」と北川さんは言います。

県内に3万人いる学生で、県内就職するのは10%。これを20%に引き上げたら3,000人の若者が地域で活躍する。そうなれば町も産業も盛り上がり、新しい文化が生まれる、と北川さんは夢見ています。

 ブランディングのプロが、愛する地元のまちおこしのためにインナーブランディングに取り組む。刺激的な挑戦が彦根から始まっています。