若者のための地方創生を目指す京都のまちづくりベンチャー

 自分が生まれ育った故郷・京都府与謝野町に誇りを持ち、元気にしたい。地域活性化の旗振り役になりたいという熱い気持ちをもって、まちづくり会社(株)ローカルフラッグは、2019年に創業しました。社長は濱田祐太さんです(関西広域連合HP『スモールビジネスの情報発信』)。

 濱田さんは高校生の頃から地元を元気にしたいと想い、地方創生に関心を持ち、大学入学後も、政治家事務所でのインターンシップや地方でのフィールドワーク活動を通じて、地域振興のやり方を学びました。地方の企業にインターン生を紹介する事業を始めて得た収入で地元と行き来して、地元の実情も調べました。

 体験型の学びを経たことで、濱田さんは「地域産業の衰退」「若い人が働きたいと思える仕事がない」「新たに稼げる事業がない」という課題から、町が収益構造を作れていない現状が生まれていることを発見しました。

 こうした問題意識から、濱田さんは(株)ローカルフラッグを立ち上げると、地元の与謝野ホップと牡蠣殻を使ったクラフトビール事業を起こしました。「かけはしブルーイング」というビールブランドを2020年に立ち上げて、「飲めば飲むほど海がきれいになっていくビール ASOBI」の販売を始めました。ほかにも、地域プロデュース事業として、移住定住業務、事業承継支援、企業の新入社員研修や新卒採用支援、ローカルベンチャースクール等の起業支援などに取り組んでいます。

 従業員10名は、全員が20代です。若者の、若者による、若者のための地方創生を目指す同社。京都府与謝野町のまちづくりベンチャーの挑戦は、地方創生のモデルケースとなる可能性を大いに秘めています。