地方創生のゴールをぼやけさせないために

 各地で地方創生の取組が行われていますが、徐々にゴールがぼやけているような感じがします。
 ほとんどの自治体が減少する人口を目標値にしているため、その目標を達成したとしても人口は今よりも減っています。人口が減れば経済も縮小し、地域は活力を落としているでしょう。その状態で地方創生が成功したと思う人はいないはずです。
 人口が減りながらも活力を維持しているまち。そんな逆説的なイメージをわかりやすく見える化して、地域の目標にする必要があります。都会地と適度に交流しながら、農業・工業・サービス業が適度に維持され、若者も高齢者も元気を出せて、男性も女性も活躍でき、健常者と障害者が分け隔てなく暮らし、マネーと里山を適度に活用するまち。これらをまとめるとバランスの取れた「美しいまち」ということになります。美しさとはバランスのことです。目には見えるものの言語化が難しいため、伝えにくいところがあります。これをいかにして伝えていくかが大きな課題だと思います。
 一人当り所得を維持しながら暮らしの質が高まり、笑顔の絶えない明るいまち。そんなまちづくりを目指すことが大切です。