地方創生の鍵はエッセンシャルワーカーへのリスペクト(by冨山和彦)

 「エッセンシャルワーカーが新たな中産階級を形成する道筋を探り、ローカル経済圏を復権させることが、日本と世界が包摂的な経済社会を取り戻す王道」と企業再生の第一人者である富山和彦氏は言います(冨山和彦田原総一朗新L型経済 コロナ後の日本を立て直す』角川新書)。

 冨山氏の主張は、人口30万人規模の地方都市を核にして、エッセンシャルワーカーが十分な世帯所得を得られ、社会的にリスペクトされる社会を創ることがこれからの日本に必要というものです。

 コロナ禍でグローバルに展開する大企業の脆弱性が露呈し、ローカルでがんばるエッセンシャルワーカーの価値が見直されました。世界を股にかけて先端技術の分野で活躍するよりも、ローカルで地味に働くことが裾野広く社会に貢献するという価値観は、地方創生を実りあるものにします。

 エッセンシャルワーカーの働きに十分報いる地域社会が、これから生き残っていくと思います。