イノベーションとは「パクリの掛け算」(by冨山和彦)

 イノベーションを「技術革新」というのは世紀の大誤訳であり、正しくは「パクリの掛け算」であると、冨山和彦氏はいいます(冨山和彦・望月愛子『IGPI流DXのリアル・ノウハウPHPビジネス新書)。

 もともとイノベーションは、経済学者シュンペーターが「新結合」を意味する言葉として使いました。これが「技術革新」と和訳されたことで、新しい技術や製品を発明することと誤解されるようになりました。イノベーションをモノの発明と勘違いした多くの日本企業は衰退していきました。実際には、GAFAやマイクロソフトが行ったように、モノやサービス、ビジネスモデルや制度など世にあるものの「パクリの掛け算」で世界は変えられてきました。

 無から有は生まれません。既存の何かと何かを組み合わせることで新しい価値を生む。そうした活動をイノベーションと正しく認識して、DXの推進にも活かしてほしいと思います。