ビジネスアイデアを考える時に注意したいこと(高校生向け)

 最近では、日本をよくするために、高校生からビジネスアイデアを募集する動きが活発になっています(日本政策金融公庫の『高校生ビジネスプラン・グランプリ』など)。授業の一環として、ビジネスプラン作成に取り組む高校も増えており、問題解決力が鍛えられると好評です。その一方で、授業の時間だけでは十分に理解できないという声もあるようです。ここでは、学校の授業では伝えきれない部分を補足します。

 まず、ビジネスアイデアを発想する第一歩は、「日本をよくしたい。社会をよくしたい。みんなを笑顔にしたい」という気持ちが出発点になるということです。誰かを幸せにしたいという熱い気持ちを中心にして、ビジネスを考えていきます。

 次に、身近な人や社会が「困っていることは何か」を考えます。これは、お金を払ってでも解決したいほど困っているかどうかという視点で、困りごとを探します。その時、解決するための商品やサービスが既にあるものは避けるようにします。ただし、出回っている商品やサービスでは十分に解決できないため、新しい商品やサービスが必要ということであれば、それは考えるべき困りごとになります。

 困りごとを見つけたら、それを解決する商品やサービスを考えます。その時のコツは、既にある商品やサービスを組み合わせて考えてみることです。交通渋滞に巻き込まれずに荷物を配達するために、自転車+宅配便=自転車宅配便を考え出す。寿司職人さんに声をかけなくてもお寿司を食べられるように、寿司店+ベルトコンベヤー=回転寿司店を考え出す。急な人手を間に合わせたいお店と、空き時間に小遣い稼ぎをしたい人を繫ぐために、アルバイト派遣+スマホアプリ=スキマ時間アルバイトサービスを考え出す、といったようにです。解決の材料となるものは既に世に出ていることが多いので、そこから材料を集めて組み合わせることが効果的です。

 こうしてビジネスアイデアを考え出したら、それが「①世の中から求められているものか。②自分がやりたいことか。③実現できることか」をチェックします。このチェックを通れば、プラン書に書けるビジネスアイデアになります。