灘高生が提案した「日本を復活させるソリューション」

 本日、東京大学の伊藤謝恩ホールで、日本政策金融公庫主催の高校生ビジネスプラングランプリが開催されました。全国の高校生から寄せられたビジネスプラン3,087件から厳選されたトップ10が最終審査され、表彰されました。いずれも優れたプランで、今どきの高校生のアイデア力のすごさが感じられました。最も社会を変えるインパクトが大きいと思われたのは、兵庫県灘高等学校の一年生チームが発表した「女性と高齢者をつなぐ買い物代行サービスのプラットフォームづくり」です。審査員特別賞を受賞しました。

 このビジネスプランは、働く女性が日用品の買い物をする時間がないことに着目して、高齢者が買い物代行サービスを行う場をつくり、65~74歳の高齢者に働いてもらおうというものです。このプランの優れた点は、高齢者に働く場を提供することで所得と健康の向上を図り、女性の買い物時間を節約することで正社員として働ける道を開くところです。女性と高齢者の所得を同時に向上させる一石二鳥のアイデアが、日本経済の復活にもつながるところが秀逸です。

 日本の生産性が国際的に見て低いと言われる根本的な原因は、女性と高齢者の労働参加が抑制されていることです。女性が主に非正規雇用でしか働けず、男性は60歳を過ぎると戦力外とされる現状では、国全体の労働力は不足し、生産性も高まりません。

 灘高生の提案するソリューションは、日本の根本問題を解決するすばらしいものです。ぜひ、政策機関の支援を受けて実現されることを期待しています。