起業の収支計画を立てるときに注意したいこと(高校生向け)

 ビジネスプラン作成授業で最も手がかかるのが、収支計画の作成の部分です。これが難しいのは、どこまで計画を細かく詰めるべきかがわかりにくいからでしょう。

 収支計画は、「売上高-売上原価-経費=利益」の各項目を具体的な根拠に基づいて肉付けしていくことです。特に売上高については、リアリティを感じられる内容で具体化しなければなりません。なぜそれだけの売上が上がるのか。需要をつかめるのか。競合に負けないのか。ターゲットとする顧客がどのような人たちで、その人たちと、販売する商品やサービスの相性はどうなのか。類似の商品やサービスはないのか。あったとしたら、それらと競合しても売れるのか。

 ビジネスは売上が立たなければ成り立ちませんから、売上高の予測は丁寧かつ慎重に行わなければなりません。ここがしっかりと決まれば、あとが楽になります。売上原価は、提供する商品やサービスの材料費を見積もったり、製造業の場合は製造にかかる労務費も含めて計算します。経費は、人件費、家賃、広告宣伝費、その他を合計して求めます。こうして算出した各項目を、「売上高-売上原価-経費=利益」にあてはめて、利益がプラスになるかどうかを見ます。マイナスであれば、どこに問題があるかを考えて、修正します。

 収支計画は細かい計算が出てくるため、教わる側は難しいと思うようですが、あくまでシミュレーションですので、リラックスして、頭を柔らかくして考えてもらいたいと思います。

 実際のビジネスは、計画した通りにはなかなか運びません。壁にぶつかることが多々あります。その際に、どう修正して業績を上向かせるかが重要になります。本当に必要なのは、そうした修正力なのです。ですから、収支計画は、柔軟性を持たせることがベターと言えます。