ホワイトカラーの生産性を上げるには

 マッキンゼー出身のコンサルタントである伊賀泰代さんや各方面からも指摘されていることですが、日本のホワイトカラーの生産性は低いと思います。これは一つにはホワイトカラーの生産性が捉えにくいからでしょう。
 生産性は、「アウトプット÷インプット」で測られますが、ホワイトカラーの場合、アウトプットを定義することが困難です。製造業のアウトプットは製品ですが、ホワイトカラーのアウトプットは目に見えません。労働生産性で使われるアウトプットである付加価値(=売上−売上原価)を用いても、捉えにくいでしょう。
 ホワイトカラーの生産性を上げるには、まずアウトプットを定義する必要があります。これは企業ごとに決めることになるでしょう。そしてインプットを時間と定義する。そうして時間当たりアウトプットを高めるよう仕事のやり方を改善していく。
 マネジメントの現場では、ホワイトカラーが何をやっているかを正確につかんでいることは稀でしょう。そのため結果さえ出ればOKとなり、良くいえば常識を超えた、悪く言えば不適正な事務処理が行われる可能性もあります。これを防ぐには、組織として方法論を詰め、生産性の高い取組み方を情報共有することが必要です。
 なぜ「日本の」ホワイトカラーの生産性が低いのかと言えば、個々人の仕事が定義されておらず、方法論も担当者に任せているからでしょう。この柔軟性が高度経済成長期にはプラスに作用したのでしょうが、右肩下がりの時代には、個人にかかる負担が大きくなり、心の病などを引き起こしています。
 ノウハウとは「時間を節約する技術」です。日本の企業はノウハウの構築に真剣に取り組むべきだと思います。