生産性革命は米子市から始まる!?

 人口減少下にあっても豊かさを維持するため、政府は生産性革命に取組む政策パッケージを12月8日に閣議決定しました。
 同パッケージには、中小企業の生産性を向上させるため、ものづくり補助金の拡充、人的投資への税制優遇、IT・クラウド導入の支援、ローカルベンチマーク等を活用したベストプラクティス事例の共有などが盛り込まれています。ここでは言及されていませんが、重要なのは、生産性を向上させるためのまちづくりを行うことです。
 日本の労働生産性が国際的に見て低いというのは今や常識となっていますが、特にサービス業の生産性が低い点が問題視されています。サービス業は人に対してその場で提供するものですから、人と人の距離が近いと、つまり人口密度が高いと生産性が高くなります。多くの研究でも、生産性と人口密度の相関が高いことが報告されています。山陰地方では、境港市(鳥取県)の労働生産性が最も高いのですが、同市の人口密度は山陰一です。
 生産性を高めるには、人の集積をいかにして創り出すかが問題となるわけですが、それはまちづくりをいかに行うかということと同義です。人が集まり、密な距離感で働き消費する環境ができれば、生産性は高まります。そうした条件を備えたまちが、鳥取県米子市です。
 米子市は、山陰地方の中心に位置して交通の要衝となっており、面積が132k㎡とコンパクトです。その中に多くの医療機関や商業施設が備わっており、暮らしやすさは日本一と国の指標で示されています。求人倍率は東京よりも高く業種別で見た労働生産性は、東京22区(千代田区以外)にも負けていません。これだけ条件が揃っていますから、後は生産性向上に向けたビジョンを打ち出し、市民が一丸となって取り組めば、生産性は劇的に向上します。それだけのポテンシャルを秘めています。
 米子市が、生産性革命のモデルケースとして全国から注目される日がくることを期待しています。