学校教育にほしい『差別化』の教え

 いじめ問題が世間を騒がせる昨今、学校教育で「ビジネスにおける『差別化』を教えるべき」という意見は暴論と思われるかもしれません。しかし、その必要性はあります。
 現在はデフレ経済と言われますが、なぜ商品やサービスの価格が下がっていくかといえば、同質化が進んでいるからです。同じものであれば1円でも安い方がいい。企業側もローコストオペレーションに力を入れ、その結果、価格の低下が進みます。互いに相手企業の行動を真似しあうことで、価格低下の悪循環が生まれます。これに対抗して利益を上げる好循環を生み出すには、それぞれの企業が『差別化』を進めて付加価値を付け、十分な価格設定をした商品やサービスを市場に投入することが必要です。ところが学校教育で同質化することのみを教えられてきた若者は、どうやって『差別化』すればよいかを知りません。就職した先でビジネスの『差別化』を進めようという発想もなければ、実際に行う方法もわかりません。
 ビジネスにおける価値は『差別化』から生まれるのだと、学校教育は教える必要があります。先月、米子高等学校で行われたビジネスアイデア発想法の出前授業は、『差別化』の必要性を真正面から生徒に教える革新的な授業だったと思います。こうした教育が広がれば、鳥取県から革新的な起業家が輩出されることでしょう。