2017-01-01から1年間の記事一覧

AIにも限界はある、銀行員は自信をもとう(by尾木研三)

2014年にオックスフォード大学の研究者が、コンピューター化の進展で人間が行う仕事の約半分が失われると発表し、話題になりました。その中に「銀行の融資担当者」の仕事も10〜20年以内に高い確率でなくなるとあり、金融関係者に衝撃を与えました。金融の本…

小説が教える「創業するなら公庫へ」(by菅井敏之)

新たに事業を始める、つまり創業する場合、最も頭を悩ますのが資金調達です。自己資金で足りない部分をどう補うか。銀行から借りればよいと考えるところですが、営業実績のない事業に民間金融機関が融資するのは容易ではありません。そんな時に頼れるのが政…

サービス業の生産性を上げるには(米子市)

我が国は経済のサービス化が進み、産業構造の大きな部分をサービス業が占めながら、そのサービス業の生産性が低いと指摘されます。そのため、サービス業の生産性を向上させる必要性が声高に言われています。しかし、なかなか思うような結果は出ていないよう…

生産性向上はまちづくりから(境港市)

今年の中小企業白書のキーワードは、生産性、創業、事業承継、新事業展開、人手不足克服です。いずれも重要な政策課題です。特に生産性の高い創業を増やす必要性が強調されています。しかしここには注意が必要でしょう。生産性の高さは、企業の技術や努力だ…

高校生がビジネスプランを作る意味

社会の変化が加速度を増す中で子供たちが「生きる力」を育むには、主体的・対話的で深い学びが必要との視点から、学習指導要領にアクティブラーニングを取り込む動きが文部科学省で出ています。 これまでとは真逆の方向性であるため、教育現場にはとまどいが…

白書で紹介された小企業の事業承継(米子市)

後継者の不在が原因で廃業する企業が後を絶ちません。そうした廃業を阻止するために事業承継支援が大きな政策課題になっています。 「事業承継は企業規模が大きくないとできないのでは」「人口の少ない地域では難しいのでは」と思われる人も多いようですが、…

青年市長のもと新生・米子市が始動!(鳥取県)

4月16日、米子市長選が行われ、歴代最年少となる43歳の市長が誕生しました。公認会計士を務め、商工会議所青年部の会長経験もあり、まちの経済には詳しい方です。まちづくりのビジョンも明確なものを持っておられます。 新市長のもとで、米子市は新たな成長…

米子市は飛躍する

2017年公示地価の発表で、米子市の商業地の地価下落率が全国最大と報道されました(3月22日)。昨年1月のやよいデパートの閉店や、駅前再開発による影響で、かつての中心街の衰退が地価に表れた形です。しかし悲観的になるのは早計です。 米子市は、山陰地方…

まちおこしに必要な3段階

まちおこしを図るには、3つの段階が必要です。 まず、まちの住民をまとめるビジョンをつくります。どんなまちにしたいのか、そのビジョンを簡潔なフレーズで表してみるのです。鳥取県西部で例を挙げれば「米子がい〜な!暮らしやすさ日本一(米子市)」「フ…

よなご・マルシェが盛況(米子市)

3月20日、米子市のホープタウンで地場産食の博覧会「よなご・マルシェ」が開催され、2,000人の家族連れでにぎわいました。 マルシェストリートでは、日南物産の各種野菜、当たり前田カレーの名物カレー、ブーランジュリ ル リアンの創作パン、食堂海の声の油…

若者流出にまつわる誤解(鳥取県)

鳥取県では若者の県外流出が深刻化しており、重要な政策課題となっていると言われます。ここには大きな誤解が二つあります。 一つは「若者の県外流出が増えている」との見方です。少子化が進んでいますから、それはありえません。鳥取県人口移動調査をみると…

鳥取県の人口減少は止められる

鳥取県が2016年の人口移動調査を発表し、自然減(出生よりも死亡が多い現象)が2,916人と過去最大となったことがマスコミで大きく報道されました。しかし、これは大事な点を見落としています。それは県外転出者数が1955年以降で最少(11,312人)となったこと…

産業振興と経営支援の発表大会(鳥取県)

3月8日、鳥取県琴浦町で第17回鳥取県商工会経営支援発表大会が開催されました。毎年行われる商工会の産業振興と経営支援の事例発表会です。産業振興では、北栄町商工会、鳥取市南商工会、米子日吉津商工会が、経営支援では、西部商工会産業支援センター、中…

島根電工(株)にみる人材育成の重要性(by荒木恭司)

人材育成の重要性を平易な熱い言葉で説いている島根電工(株)の荒木社長の著書を読むと、中小企業の苦境を救うのはやはり人材育成なのだと感じます(荒木恭司『「不思議な会社」に不思議なんてない』あさ出版)。 構造不況に陥っている建設業界にあって、大型…

縮充教育のモデルとなりうる鳥取県

日本の学校教育に不足しているものは、チームワーク・失敗の乗り越え方・差別化を教えることです。 人口減少が進むこれからは、縮充を目指して節約と助け合いの精神が社会の基本理念となります。そうした社会を生き抜ける人材は、チームの中で巧みに振る舞い…

学校教育にほしい『差別化』の教え

いじめ問題が世間を騒がせる昨今、学校教育で「ビジネスにおける『差別化』を教えるべき」という意見は暴論と思われるかもしれません。しかし、その必要性はあります。 現在はデフレ経済と言われますが、なぜ商品やサービスの価格が下がっていくかといえば、…

米子市の生産性を今以上に上げるには

国が無料で提供しているビッグデータ分析のためのツールにRESAS(地域経済分析システム)があります。これを使えば個人でも地域経済の分析を簡単に行うことができます。 RESASで鳥取県内の労働生産性の市町村ランキングを取ってみると、米子市は第6位という…

プレ金よりもワークシェアが効果的

昨日からプレミアムフライデー(月末の金曜日の早帰り)が始まりましたが、どれだけ効果が上がるかは不透明なようです。サラリーマンは収入に余裕がないので、土日の消費を前倒しで行うだけではないかとの意見もあります。 プレミアムフライデーのターゲット…

既に始まっている『東京劣化』

人口減少学の権威である松谷明彦政策研究大学院大学教授は、東京都の隆盛はオリンピック後に陰り始め、2030年頃には鳥取・島根圏を下回ると予言しています(松谷明彦『東京劣化』PHP研究所)。これは高齢化が急速に進むことで、東京圏の一人当たり経済成…

東京の人口バブル崩壊の兆し

総務省の統計(住民基本台帳人口移動報告)で、2016年の東京都の人口転入超過が7万4,177人となり、20年連続の転入超過で東京一極集中が進んでいると朝日新聞で報じられました。東京一極集中に歯止めがかからないというストーリーで語られていますが、その陰…

認め合いが価値を生む(鳥取県)

鳥取県が「ほめ達!オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2月8日に「ほめる達人協会」西村理事長から平井県知事に特別賞の賞状を渡す授賞式がありました。「認め合いで成長や貢献の実感、改革を進める類を見ない自治体」と評価され、同協会の検定が無料になる「ほめ…

ビジネスアイデア発想法の出前授業(米子市)

2月7日、米子市にある米子高等学校で、ビジネスアイデア発想法の出前授業が行われました。主催は米子高等学校、米子市、日本政策金融公庫米子支店、後援は鳥取県、鳥取県信用保証協会、米子商工会議所、鳥取県西部商工会産業支援センター、山陰合同銀行、鳥…

米国型起業の本質(米子市)

1月27日、米子市で米子商工会議所が主催する「IT業界の今・海外での起業に学ぶ新規事業の考え方」と題する講演会が開催されました。講師は、シリコンバレーでスマート住宅の開発に取り組む本間毅さん(HOMMA,Inc CEO)です。 本間さんは鳥取市出身で、鳥取…

安心して失敗できる社会

1月26日に開催されたとっとり起業フォーラムで、為末大さんが「起業が当たり前になる空気が必要」と語り、本間毅さんが「失敗しても叩かないことが大事。自分も1社目の起業で失敗して学んだことが、その後の起業の成功につながっている」と語りました。 地域…

起業の熱気あふれる鳥取県のイベント(鳥取市)

1月26日、鳥取市のとりぎん文化会館で、鳥取県ビジネスプランコンテスト表彰式&とっとり起業フォーラムが開催されました。 表彰式では、鳥取県が募集した地域活性化のビジネスプラン51から、総合部門大賞を(株)マリンナノファイバー(カニ殻からの機能性新…

社会を生き抜く力を育てる高校(米子市)

1月21日、米子市文化ホールで、米子高等学校の学習成果発表会が行われました。1年生がキャリア・プランニング、2年生がプレテーマ学習、3年生がテーマ学習の発表を行いました。1年生で将来なりたい目標を定め、2年生でテーマ研究の手法を学び、3年生で地域の…

「東京圏は成長率で鳥取・島根圏より劣化する」(by松谷明彦)

「地域別一人当たり県内総生産増減率を推定すると、東京圏は2030年以降、鳥取・島根圏を下回る」と松谷明彦政策研究大学院大学名誉教授は言います(松谷明彦『東京劣化 地方以上に劇的な首都の人口問題』PHP研究所)。 地域の経済成長率を意味する県内総…

『東京劣化』(by松谷明彦)

人口減少研究の第一人者といわれる松谷明彦政策研究大学院大学名誉教授は、「東京は、2020年代後半には、全国的な少子化で流入する若者が激減する一方、これまで大量に流入した若者が歳を取り高齢者が急増して、都市の劣化が起こる。地方は、若者の流出を抑…

ホワイトカラーの生産性を上げるには

マッキンゼー出身のコンサルタントである伊賀泰代さんや各方面からも指摘されていることですが、日本のホワイトカラーの生産性は低いと思います。これは一つにはホワイトカラーの生産性が捉えにくいからでしょう。 生産性は、「アウトプット÷インプット」で…

長時間労働を正す生産性向上(by伊賀泰代)

「長時間労働を是正するために働き方改革が言われているが、その実現のためには生産性を向上させなければならない」と、マッキンゼー出身のキャリア形成コンサルタント伊賀泰代さんは言います(伊賀泰代『生産性−マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』…