人材育成の重要性を平易な熱い言葉で説いている島根電工(株)の荒木社長の著書を読むと、中小企業の苦境を救うのはやはり人材育成なのだと感じます(荒木恭司『「不思議な会社」に不思議なんてない』あさ出版)。
構造不況に陥っている建設業界にあって、大型の公共事業やゼネコンの大口工事の受注から一般家庭などの小口工事へとシフトし、V字回復を果たした同社。その原動力は人材育成でした。社員が第一、取引先が第二、顧客が第三、地域が第四、株主が第五の順で、従業員の幸せを第一に掲げ、その実現のために人材育成に徹底的に力を入れています。リストラなどはもちろんしません。
その結果、残業時間は減ったのに売上は伸び続け、社員満足度・顧客満足度も高く、山陰地方でも珍しい右肩上がりの成長を続ける優良企業になっています。同社のノウハウはFC展開されてもいます。
「企業は人なり」といいます。人を幸せにする経営をどれだけ徹底できるかが、これからの企業経営に求められているのだと思います。