2021-01-01から1年間の記事一覧

『鬼滅の刃』で気づく小企業の意義

今、社会現象を引き起こしている映画『鬼滅の刃』の国内での興行収入が史上初の400億円突破(全世界では517億円)と5月24日に発表されました。この物語のすばらしさは、人類が直面するコロナ禍にあって、あらためて家族の大切さ、仲間の大切さ、先祖から引き継…

「女性たちよ、チェンジメーカーになろう」(by麓幸子)

「今が働く女性にとって千載一遇のチャンス、管理職のオファーが来たら逃さないで」と、元「日経ウーマン」編集長の麓幸子さんはいいます(麓幸子『仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方』日経BP)。 2013年に政府が「日本再興戦略」の中で成…

地方創生の鍵はエッセンシャルワーカーへのリスペクト(by冨山和彦)

「エッセンシャルワーカーが新たな中産階級を形成する道筋を探り、ローカル経済圏を復権させることが、日本と世界が包摂的な経済社会を取り戻す王道」と企業再生の第一人者である富山和彦氏は言います(冨山和彦・田原総一朗『新L型経済 コロナ後の日本を立…

画期的なゼロゼロ融資は鳥取県の天才知事のアイデア

地方自治に天才的なアイデアを発揮される知事が、コロナ禍にある我が国の金融情勢にも大きな影響を与えたという話です(平井伸治『鳥取力 新型コロナに挑む小さな県の奮闘』中公新書ラクレ)。 昨年3月に政府系金融機関が、5月に民間金融機関が企業向けに実…

低生産性は個別企業の問題ではない(by中小企業白書)

我が国の経済を低迷させている低生産性の原因は個別企業の問題ではない、と中小企業庁が発行する報告書が主張しています。 2020年版中小企業白書(Ⅰ-P100~106)では、企業規模・業種別の労働生産性を分析し、『業種全体として労働生産性の水準が低い「宿泊…

自分の頭で考えると日本の未来は明るい(by出口治明)

自分の頭で考えるには、「タテ・ヨコ・算数」で考える習慣を身につけること、と出口治明氏(立命館アジア太平洋大学学長)は言います(出口治明『自分の頭で考える日本の論点』幻冬舎)。 タテとは昔の歴史、ヨコとは世界情勢、算数とは数字・ファクト・ロジ…

「よそ者・若者・馬鹿者」に頼らない地域再生(by木下斉)

「よそ者・若者・馬鹿者」に頼る地域再生のやり方は卒業すべきと、地域活性化伝道師の木下斉さんは言います(木下斉『まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』SBクリエイティブ)。 「よそ者・若者・馬鹿者」が地域活性化の鍵という決まり文句…

アフターコロナの主役は小企業(成長戦略会議資料)

3月17日の政府の成長戦略会議の基礎資料(P19)で2020年版小規模企業白書のデータ(第2部第1章の第2-1-13図)が紹介されました。それによると、人口密度下位25%の市町村の住民に「地域課題の解決に当たり中心的な役割を担うことが期待される者」を問うたと…

新たな日常を生き抜くための「負けない技術」(by桜井章一)

コロナショックが経済を低迷させ、小企業の経営環境をより厳しくしている今、求められるのは「勝つ技術」よりも「負けない技術」でしょう。裏麻雀の世界で20年間無敗の戦績を上げ、伝説の雀鬼と呼ばれた桜井章一さんが教える「負けない技術」は大変参考にな…

不連続な時代を生き抜くには「挫折力」が必要(by冨山和彦)

リーマンショック、東日本大震災、コロナショック、デジタル革命など、不連続な変化が頻繁に起きる現代では、リーダーの「挫折を愛し、乗り越え、活かしていく力=挫折力」を高めることが必要だと、冨山和彦(株)経営共創基盤代表は言います(冨山和彦『「不…

「パートタイム起業家」という選択肢

リスクを抑えながら自分のやりたいことに挑戦して収入を得て、かつ生活も充実させたい。そんな夢の生き方を実現しようという人たちが現れています。 日本政策金融公庫総合研究所では、週35時間未満を事業経営に充てている人を「パートタイム起業家」として、…

地方再生の可能性は自営業にあり(by東京大学社会科学研究所)

衰退傾向が続く自営業にこそ地方再生の可能性があることを示す研究が発表されました。仲修平東京大学社会科学研究所助教がまとめた「日本における自営業の変遷-地域別にみる雇われない働き方の仕事環境-」(日本政策金融公庫論集第50号(2021年2月))です。…

アフターコロナの小企業に必要な「まちづくり戦略」

ワクチンの普及が見えてきたことでコロナ禍に終息の気配が感じられるようになり、小企業経営者もアフターコロナの経営を考える時がきました。 コロナ禍は、時計の針を一気に進めました。人口減少で進んでいた需要の減少と競合の激化がさらに進むとともに、DX…

中小企業の新商品開発を応援するクラウドファンディング(Makuake)

中小企業の新商品リリースを応援する(株)マクアケの取組みが、1月28日のカンブリア宮殿で紹介されていました。 同社は通販サイトを運営していますが、新しい形の通信販売事業を展開しています。扱うものの9割は、中小企業が開発した新商品です。中小企業の新…

個人事業者が自由に働いて支えるウーバーイーツ

1月14日放送のカンブリア宮殿でウーバーイーツのフードデリバリーサービスが紹介されました。飲食店と消費者をITでつなぐビジネスモデルで、コロナ禍において急激に業績を伸ばしています。 同社のビジネスモデルが常識破りといわれるのは、配達員が好きな…

大学生の知恵で蘇る畳店(静岡市)

情報力と連携力に課題のある小企業が活路を見出すために、学生とのコラボが有効ではないか。そう考えて各地で取組みが行われています。2020年版小規模企業白書では、静岡県立大学の学生と畳店のコラボの事例が紹介されています。 静岡市にある1935年創業の(…

小企業がコロナ禍を生き抜くために必要な『引き算する勇気』

コロナ禍を企業が乗り切るために、新分野進出が推奨されたり、『両利きの経営』(深化と探索のバランスを取る経営)が流行したりしています。様々な打ち手に目移りする経営者が多いですが、いたずらに手を広げれば不毛な消耗戦に陥るだけです。そこで注目し…

国が休眠預金でソーシャルビジネスを支援(鳥取県)

1月25日、鳥取県で休眠預金が地域振興に初めて活用されるとNHKで報道されました。休眠預金は、一部を公共性の高い民間事業に使うことが法律で認められています。今回、国が支援するのは、米子市で訪問介護を行う「私の看護婦さん」(合同会社N.K.Cナーシング…

ニトリ会長が発達障害者の才能発掘に1億5,000万円支援

12月24日放送のカンブリア宮殿で33年連続増収増益を続ける(株)ニトリホールディングス(家具製造小売)の取組みが紹介されました。安さを追求しながら機能性を重視することで顧客の心を掴んでいるという話でした。 安さを象徴する例として、木製ハンガー5本…

『日本の教育、海を渡る』(by平井由紀子)

日本の教育のすばらしさを再認識できる本が出版されました。平井由紀子さんの著作『日本の教育、海を渡る』(カナリアコミュニケーションズ)です。 平井さんは、早稲田大学発ベンチャー企業である(株)セルフウイングの社長として、自身が開発した早期起業家…

小企業はもっと夢を語ろう

2020年版中小企業白書(Ⅱ-P15~17)では「経営者が若いほど、従業員規模が大きくなるほど、事業を通じて実現したい夢を有する企業の割合が高くなる。夢を持つ企業の方が持っていない企業より労働生産性が高い傾向にある」ことが述べられています。より多くの…

コロナ後に明るい地域社会を創る主役は小企業

人口減少にコロナ禍が加わり、小企業の減少に拍車がかかりました。そんな中で、成長戦略会議のメンバーにデービッド・アトキンソン氏と竹中平蔵氏が選ばれたことで、小企業の整理統合が進むムードができました。しかし、我が国の明るいビジョンを描くには、…