「よそ者・若者・馬鹿者」に頼らない地域再生(by木下斉)

 「よそ者・若者・馬鹿者」に頼る地域再生のやり方は卒業すべきと、地域活性化伝道師の木下斉さんは言います(木下斉まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのかSBクリエイティブ)。

 「よそ者・若者・馬鹿者」が地域活性化の鍵という決まり文句がありますが、それでは地域の人々に当事者意識が育たず、うまくいきません。よそ者・若者・馬鹿者には地域での実績や信用がありませんから、活動を持続させる力が生まれません。

 地域の問題は、その地域に住む人々が当事者意識をもって取り組まなければ解決しない、地域の事業者が核となり、経営者感覚をもってまちづくりに取り組み、行政と連携しながらも自治体の予算には頼らず、地域の人々の支援を受けて成功に導くものと、木下さんは指摘します。

 「持続可能なまち」とは、地域内に十分なお金が巡るまちであり、それは経営者感覚に基づいて取り組まなければ生まれません。地元の人々が、地元愛に突き動かされて、「よそ者」の代わりに外の情報を収集し、「若者」の代わりに未来のビジョンを持ち、「馬鹿者」の代わりに強い集中力で取り組むことが必要です。

 「よそ者・若者・馬鹿者」というキーフレーズが死語になる時、まちづくりが成功すると思います。