ニトリ会長が発達障害者の才能発掘に1億5,000万円支援

 12月24日放送のカンブリア宮殿で33年連続増収増益を続ける(株)ニトリホールディングス(家具製造小売)の取組みが紹介されました。安さを追求しながら機能性を重視することで顧客の心を掴んでいるという話でした。

 安さを象徴する例として、木製ハンガー5本セット399円、カット式台ふきん42枚入り199円、ソファベッド3万454円、テーブル1・イス2・ベンチ1のセット29,900円、200×240cmの絨毯5,446円、ベビーカー6,860円、6畳用エアコン4万9,900円、電子レンジ5,990円が紹介されました。機能性を追求した商品の例として、滑り止め加工した木製トレー、横向き寝促進まくら、取り付けひもなしで使える掛け布団カバー、乾きやすい風呂イス、超軽量ワンタッチボトルが紹介されました。今や商品アイテム数は1万4,000点を数え、国内・海外で639店舗を展開する年商6,000億円企業です。

 同社は1967年、札幌市で似鳥家具店として創業しました。似鳥昭雄社長は、対人恐怖症で接客がうまくできず、すぐそばに1,200坪の競合店が出店するなど、危機に陥りました。そこで問屋を介さずにメーカー直販を行うことで業績伸ばした。1994年には海外で自社工場を稼働させました。企画、製造、物流、小売などの一貫体制を世界初で確立しました。

 一代で6,000億円企業を築いた似鳥昭雄会長は番組の中で「小学校の時は自分の名前を漢字で書けなかった、成績は最低、先生の言うことが理解できなかった。いまだに片付けができない。発達障害だった」と告白されました。「子供たちに夢と希望を与えるのが私たちの仕事」「100のうち99の欠点があってもいい。1つの長所を探せばいい。勉強だけじゃない。違う経験や体験をしてみることが大事」との想いから、東京大学の異才発掘プロジェクト(発達障害などで学校生活が難しくなった子供たちの才能を発掘する活動)に1億5,000万円の支援を決定しました。

 自身が発達障害を乗り越えて成功者になったことを踏まえて、発達障害に悩む子供たちを支援したいという似鳥会長の想いが、多くの子供たちに伝わることを期待しています。