障害児に教育を施す特別支援学校は年々増えて、2017年で1,135校、在学者数14万2千人、教員数8万4千人。そこでの生徒1人当たり教育費は年間725万円、普通校の7〜8倍に上るそうです(中島隆信『新版 障害者の経済学』東洋経済新報社)。
ここまで費用をかけて特別支援学校が行っているのは、主に就労支援です。それだけでよいのか。
「学校は就職予備校であってはならない。教育の目的は豊かな人間性を育てることであり、就職ではないからだ。教育は子どもたちの可能性を引き出し伸ばすものでなければならない。障害の陰に隠れ、潜在能力を見出しにくい障害児の教育を行う特別支援学校こそ、その模範を示すべき」というのが中島教授(慶応義塾大学)の意見です。
障害児に潜む可能性を見出すことが、私たちの希望になるという、すばらしい指摘だと思います。