創業支援は創業の支援から入ると間違う

 事業所数の減少は、米子市に限らずどこの地方でも問題になっています。そのため創業を増やす必要性が言われ、創業支援に各自治体が真剣に取り組んでいます。しかし正しく認識すべきは、創業支援は創業だけ支援してもうまくいかないということです。
 過去、我が国において何度か創業支援ブームがありました。しかし芳しい成果を上げることなく鎮静化していきました。それは、創業支援が個別の創業を支援するだけにとどまっていたからです。少子高齢化グローバル化で需要減少・競合激化が進んでいる現在、ただ思いついたビジネスアイデアを実現するために資金支援や経営支援を行っても、事業は容易に長続きしません。事業を行う人が育っていないからです。
 我が国では、ほとんどの学校教育や企業経営において、自分の頭で考えて行動する人材を育てることが十分に行われてきませんでした。このため、創業を支援しようとしても、創業するに相応しい人材が育っていない状況にあります。この部分を正さない限り、創業支援はいつまでも空回りするでしょう。
 創業支援は、人材育成を前提にして長期的な取組を考えないとうまくいかないと思います。