地方再生の可能性は自営業にあり(by東京大学社会科学研究所)

 衰退傾向が続く自営業にこそ地方再生の可能性があることを示す研究が発表されました。仲修平東京大学社会科学研究所助教がまとめた「日本における自営業の変遷-地域別にみる雇われない働き方の仕事環境-」(日本政策金融公庫論集第50号(2021年2月))です。

 本研究では、国勢調査と東大社研パネル調査のデータを分析し「1980年代後半から自営業は減少しているが、これは高齢者世代の引退による部分が大きく、若年・壮年層は2000年代以降も自営業に流入しており、特に地方において顕著である。これは地方の自営業が仕事の裁量や職業能力を向上させる機会を得やすくなっているためであり、失業抑制にも貢献している」と結論しています。

 デジタル化の進展でインターネットを活用した新しい働き方も広がっており、その受け皿として自営業がある、そうした自営業は地方での活動が活発であるという話は、地方再生の可能性を示すものです。これを後押しするような政策支援も行われるとよいと思います。