旅館業の経営改革が注目される理由

 日本政策金融公庫が発表した「国内宿泊施設の利用に関する消費者意識と旅館業の経営実態調査」を読むと、旅館業の経営改革が他業種にとっても大いに参考になると感じられます。
 同調査によれば、旅館業は3つの大きな環境変化に直面しています。老夫婦による利用の増加、外国人観光客の増加、インターネットを通じた宿泊登録の増加です。これらは高齢化、グローバル化、IT化という日本経済の3大変化にぴたりと対応しています。旅館業が環境変化に対応することは、日本経済の大きな変化に対応するということと同じなのです。その意味で、旅館業の経営改革は注目すべきと思います。
 公庫の調査では、経営上の工夫事例も紹介されています。「老人クラブ等の高齢者向けの営業に力を入れている」「ゴルフ大会を主催している」「海外からの顧客に対応するため5%offでのカード支払を可能にした」「長期連泊には宿泊料の大幅値引きを実施している」「ブログ、フェイスブックツイッターで旬な情報を提供している」「インターネット専門の担当者を採用した」など、高齢化、グローバル化、IT化への対策が目立ちます。
 旅館業の経営上の工夫から自社の経営改革のヒントが得られるのではないでしょうか。