サイゼリヤで学んで生産性を3.7倍にした一つ星レストラン

 ウィズコロナ時代に飲食店経営はどうあるべきか。それは、長年の課題である低生産性を克服することでしょう。その克服法を考えるうえで参考になるのが、東京目黒でイタリアンレストラン「ラッセ」を営む村山太一さんの取組みです(村山太一なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法飛鳥新社)。

 村山さんが経営する「ラッセ」は、ミシュランの一つ星を獲得し9年維持しているイタリアンの名店です。村山さんの悩みは、長時間労働が常態化し、人間関係が悪化し、利益も上がらないことでした。その村山さんがサイゼリヤでアルバイトをして学んだことを経営に取り入れました。すると、人時生産性が3.7倍、従業員一人当たり年商が2.2倍(850→1,850万円)、労働時間が4割減(16→9.5時間)、従業員が半減(9→4人)となりました。生産性が上がったことでストレスもなくなり、従業員同士も仲良くなりました。昨年3~5月のコロナ禍でも黒字を出しました。

 村山さんの必勝法は、サバンナ思考(危機感×気づき×即行動のサイクルを高速で回す危機回避術)とマヨネーズ理論(一流や世界一のやり方を真似して丸パクリするショートカット術)です。これを活かすためにサイゼリヤで学び、その学びを経営に取り入れました。

 一流のやり方に学ぶ大切さを、村山さんの事例は教えてくれます。