コロナ後を見据えて戦略的に縮む(by河合雅司)

 ベストセラー『未来の年表』の著者である河合雅司さんは、最新の著書で「われわれはコロナ禍というタイムマシーンに乗って日本の近未来を垣間見た。人口が減っていく今後の日本は、すべての産業分野で勝つことはできない。世界に秀でる産業分野に絞り込み、資源も人材も集中投入していくしかない」と、戦略的に縮むことを提唱しています(河合雅司『コロナ後を生きる逆転戦略 縮小ニッポンで勝つための30ヵ条』文春新書)。

 「労働力もインバウンドも、もう外国人には頼れない」「薄利多売はやめて高付加価値ビジネスに転換しよう」「自社だけで変われないなら、M&Aや他社との連携も視野に入れよ」「成長分野に若手社員を投入し、優秀な人材に挑戦する機会を与えよ」「自治体の境界を超えて街を再構築する」「高齢者を集住させて公共サービスのコストを下げる」といったリアリティあふれる提言を河合さんは述べておられます。人口減少に対して戦略的に縮むためには、こうした発想の転換が重要でしょう。

 人口が減少していくということは、私たち一人ひとりの価値が高まるのだとポジティブに捉えて日々の生活に喜びを見出していくことが求められていると思います。