生産性を上げる3カ条

 政府が『日本再興戦略』改訂2015で生産性革命を提唱したことから、地方創生加速化交付金に生産性向上要件が盛り込まれたり、国土交通省が生産性革命本部を立ち上げたりと、各方面で「今よりも生産性を上げよう」という声が上がっています。では、どうしたら個々の企業は生産性を上げられるでしょうか。
 第1に、経費や借入をできるだけ抑える努力をすることです。ムダな経費をかけたり、借入したりしない。コスト削減や借入削減の取組みが重要です。ただし人件費については、人を活かす使い方がされていれば削減しないほうがよいでしょう。
 第2に、需要を掴む努力をすることです。ターゲットの絞り込み、取扱商品・サービスのブランディング、売り込むための営業の推進です。対象とする顧客を明確にして、取扱品の価値を見える化して、伝わるようにPRする。
 第3に、競合に巻き込まれない取組みです。時代のニーズに即した商品・サービスの開発による差別化、企業間連携による販売力の強化が重要です。高齢者や女性のニーズをこまめに掴むことがポイントです。
 結局のところ「今以上に儲かるように経営改善を行う」ということなので、新しいことを言っているわけではありません。昔と違うのは、労働生産性(従業者一人当たり付加価値額)のデータが整備されたことで、自社の経営がどのレベルにあるのか、わかるようになっていることです。地域別・業種別の労働生産性のデータがありますから、自社の経営改善の参考にするとよいでしょう。
 小企業においては、自社の状況を客観視することはこれまでありませんでした。今は、労働生産性データや、優良経営事例集などで、自社の改善点を把握しやすくなっています。ぜひ、これらを活かして、経営改善に取り組んでほしいと思います。