スタートアップは高校生から!育てる国家プロジェクト

 年間26,000先の創業者を金融支援している日本政策金融公庫は、国内最大の創業支援機関です。公庫は、高校生からスタートアップを生み出すプロジェクトを10年前から行っています。

 「高校生ビジネスプラン・グランプリ」と名付けた高校生によるビジネスプランコンテストは、年々、応募数が増え続け、第10回目の今年は、過去最多4,996件の応募がありました。この応募数の多さには重大な意味があります。

 俗に成功するビジネスは「千に三つ(せんみつ)」と言われますが、これは全企業に占める大企業の割合が0.3%であることからも頷ける話です。とすると、1件の成功するビジネスを生み出すには、333件を超えるチャレンジが必要になります。それらを公的機関が意図して支援することは容易ではありません。

 しかし、政府系金融機関である公庫は、高校生の5,000近いチャレンジを応援しています。ここからは、15件くらい成功するビジネスが出てくる可能性があります。実際、今年の最終選考に残った10件は、時代を切り拓く新製品のアイデアに満ちています。その中の一つ、富山工業高校の筆記用投影装置は、発明学会の「身近なヒント発明展」で優秀賞を受賞しました。

 1年で5,000に上る高校生のチャレンジを支援する公庫の取組みは、我が国にスタートアップを次々と生み出す大きな夢を秘めています。