資本主義が行き詰まり、小企業の時代がやってくる

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 「日本が避けて通れない今後の課題は人口減。資本主義は人口増加を前提にしてはじめて成立する。人口減がこれだけ進行しても、相変わらず人間の替えはいくらでもあることを前提にした制度設計がなされている」と内田樹神戸女学院大学名誉教授は言います(内田樹・岩田健太郎リスクを生きる朝日新聞出版)。

 戦後の人口増加が資本主義を勢いづけ、投資が利益を生み、利益が投資を生んで経済が成長しました。その中で、人々は分断されて孤独化しました。しかし、資源の制約により人口減少が進むこれからは、資本主義が行き詰まり、流れが変わります。お金よりも人の和に価値が見出され、人と人を繋いで安定的に価値を循環させる動きが生まれます。Small is beautifulが新たな価値観となります。その核になるのが小企業です。

 高齢者、母子、障害者を小企業が繋いで価値を循環させる「持続可能な社会」がこれからやってきます。拡大志向で資源の制約に弱い大企業にはこの役割を果たせません。小企業だからこそ可能になります。

 社会的弱者と向き合い、その美点を見出して価値を認めることができるのは小企業です。コロナ禍の向こうには、小企業の時代がすぐそこまで来ています。