コヤマロールでロールケーキブームを起こし、パリのショコラコンテストで8年連続最高位を受賞するなどして世界的にも有名なエスコヤマのパティシエ小山進さんは言います。ものづくりの世界で上達していくために必要なのは「好かれること」だと（小山進『あなたの「楽しい」はきっと誰かの役に立つ』祥伝社）。
ものづくりの腕を上達させるには技術を高めることが必要になりますが、そうした技術の本質は本やインターネットで学ぶものではなく、誰かから教えてもらうものです。となると、優れた技術をもつ人に好かれて教えてもらうことが大事になります。
ものづくりに取り組む際には、チームを作り、集団で取り組むことになります。リーダーは、メンバーから好かれていなければなりません。
ものづくりの根本は、自分が創り出すもので誰かを幸せにしたいという想いです。好きな誰かを助けたいという気持ちがあるからものづくりにのめり込んでいくわけです。その純粋な気持ちを持っている人は、人から好かれるでしょう。
ものづくりにおいても人間関係を大切にすることが基本だという名パティシエの言葉は、非常に奥深いものがあります。
スタートアップ支援が今、流行となっていますが、単なる技術レベルの高さを追求する前に、人から好かれることを意識しているかが実は大事であり、そこを理解しないとスタートアップ支援もうまくいかないと思いました。
