驚き!鳥取の求人倍率は東京より高い

 「鳥取には仕事がなく、東京に行けば仕事があるから若者が東京に出ていく」と言われます。12月16日に放送された地域活性化を討論するテレビ番組「Brains」NHK鳥取放送局)でも、この話題が取り上げられました。しかし、この常識は今や誤りになりました。
 厚生労働省が発表している有効求人倍率を見ると、今年1月〜10月で東京都は1.34〜1.44で上昇していますが、鳥取県は1.40〜1.55で上昇しており、3月以外はどの月も東京都を上回っています。「あれっ!東京の求人倍率は2倍を超えたと報道されていたのでは」と思われる人もいるでしょう。そこには数字のトリックがあります。
 マスコミ報道では今年4月〜10月で東京都の有効求人倍率は2.02〜2.07で上昇していたという「受理地別データ」が使われていました。これだと本社で支社分も含めて届出している場合、本社がある場所の数字が高く出るバイアスが働きます。東京都には本社が集中しているため、数字が実態よりも高く出るのです。厚生労働省はこのバイアスを修正した「就業地別データ」を2014年から発表するようになりました。それが冒頭に示したデータです。
 「東京には仕事がある」というのは今や幻想です。「地元にこそ仕事がある」という真実を地元の大人たちが若者に伝えていくことが必要でしょう。