山陰のゴッドハンド(米子市)

 9月24日、NHK「超絶 凄ワザ! 幻の技法解明SP 明治の超絶技巧を再現せよ!」で、明治時代に世界を驚嘆させた鍛金家の山田宗美が紹介されました。1枚の鉄板を叩き上げて、継ぎ目のないウサギをつくる名人の技術は再現できる人がいません。番組でも再現できませんでした。それほど高度な技術ということです。
 この鈑金工芸などの技術の高さからゴッドハンドと呼ばれるのが、鳥取県西部の米子市にある(有)山根鈑金工作所の社長、持田哲二さんです。
 持田さんはキャリア60年の建築板金工で、2005年に厚生労働省から「現代の名工(卓越した技術者)」認定を受け、表彰されました。受賞理由は「建築板金職種に関して非常に優れた技能を有している。特に難しいといわれる社寺建築の銅板屋根工事、銅板打ち出し工芸、銅板絞り(鍛金)工芸の三種を得意としている」ことです。
 持田さんは1枚の銅板を金づちで叩いて、継ぎ目のないつぼや花瓶、ひょうたんを創ることができます。この精密細工の技術を用いて社寺や住宅などの銅板屋根工事を行います。
 熟練の技が光る山陰の名工に、これからも元気に腕をふるってほしいと思います。