米子市は既に地方創生に成功している!?

 今年は地方創生のかけ声のもと、各市町村で地方版総合戦略の策定が進められています。その内容は、2040年と2060年の人口目標を定めて、その目標を達成するための各種施策を立てることです。
 目標といっても、前提となるのは人口減少ですから、減少幅をどの程度にとどめるかということになります。国の推計値では、米子市の人口(現在15万人)は2040年に12万人、2060年には9.5万人に減少すると見られています。これに対して米子市が立てた目標は、2040年に13.8万人、2060年に12.8万人までの減少にとどめるというものです。つまり米子市の目標は、人口の減少ペースを国の推計値の半分程度にとどめるものです。
 米子市の人口目標は、かなり手堅いといえるでしょう。なぜなら、米子市はこの10年間、人口15万人規模を維持してきたからです。山陰地方に12ある市で人口を維持しているのは、米子市だけです。その意味では、ここ10年、米子市は地方創生に成功してきたわけで、この調子が続くなら、今後の人口推移も国の推計値を大きく上回ることが期待できます。
 しかし別な見方をするなら、現在の好調の理由を自覚して今後の環境変化にうまく対応しないと、国の推計値のような人口減少が待っているともいえます。
 勝って兜の緒を締めよではありませんが、ディフェンディング・チャンピオンとしての振る舞いが求められているのが米子市だといえるでしょう。