地方版総合戦略の真意

 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定が全国の自治体で進められています。地方消滅と呼ばれるほどの急速な人口減少に地域としてどう対応するべきかをまとめるものです。核になるのは創業支援です。地方の人口減少は、「働く場」がないことからもたらされており、それをいかにして生み出すかが非常に重要なポイントになります。
 しかし、創業支援は、創業支援だけ取り組んでもうまくいきません。創業予定者が自分の都合だけで創業して成功するケースは稀です。その地域のニーズを掘り起こせるのか、競合せずに棲み分けができるのかが、ネックになります。
 今回、策定が求められている「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、その現実をよく踏まえていると思います。まちづくりのビジョンをつくり、ひとづくりに力を入れ、そのうえでしごと(働く場)をつくり出す。この順番で取り組まないと、個々の創業支援は単発で終わり、十分な効果を期待できないでしょう。
 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、創業支援を実効性のあるものとするうえで、非常に重要であると思います。