強いブランドの条件(by岩崎邦彦)

 強いブランドとはどういうものなのか。
 岩崎邦彦教授(静岡県立大学)は、「経営者1,000人調査」と「消費者1,000人調査」を行い、強いブランドの条件を特定しました(岩崎邦彦『小さな会社を強くするブランドづくりの教科書』日本経済新聞出版社)。
 「経営者1,000人調査」では(1)明確なコンセプト、明快なイメージ、(2)感性に訴求する、(3)情報発生力がある、(4)口コミ発生力がある、という結果でした。
 「消費者1,000人調査」では(1) 明確なコンセプト、明快なイメージ、(2)感性に訴求する、(3)独自のポジションがある、(4)低価格ではない、という結果でした。
 経営者・消費者の両者に共通した強いブランドの条件は、「明確なコンセプト、明快なイメージ」と「感性に遡及する」でした。
 この結果から導かれるのは、「ブランドとは、商品やサービスが高い価値を持つことを伝える記号である」ということです。価値は目に見えません。それを「見える化」して伝えるものがブランドです。
 ブランドなんて自社には関係ないと思っている小企業も多いでしょうが、自社の商品やサービスに価値があると信じるのであれば、ブランドづくりは避けて通れないと思います。