ブランドづくりは引き算で考える(by岩崎邦彦)

 ブランドはいかにしてブランドになるのでしょうか。「強いブランドになるきっかけは、引き算である」と、ブランディングの専門家である岩崎邦彦静岡県立大学教授は言います(岩崎邦彦世界で勝つブランドをつくる  なぜ、アメーラトマトはスペインで最も高く売れるのか日本経済新聞出版社)。

 スターバックスは、「コーヒー、ティー、スパイス」から「ティーとスパイス」を引き算し、「コーヒー」に絞りました。CoCo壱番屋は「喫茶店メニュー」から引き算して「カレー」に絞りました。アマゾンは本に、ユニクロはフリースに絞り込んで成功しました。引き算して魅力を絞り込むことで、訴求力を高めたのです。

 日本のトマトをスペインでブランド化するプロジェクトも、品種を高糖度トマト「アメーラ」に、ターゲットを「都会に住む、グルメな大人の女性」に、食べ方を「生食」に絞りました。これにより百貨店への販路が開かれ、最高値での販売が可能になりました。

 引き算する勇気で魅力を絞り込むことがターゲットに訴求し、安定した販路を開き、ブランド化に至る。この成功への道筋を目指して取り組めば、世界市場が近くなると思います。