『小さな宇宙ベンチャーが起こしたキセキ』(by永崎将利)

 人を成長させるのは大きな夢ではないか。そう感じさせてくれる事例が、スペースBD(株)の社長、永崎将利氏。日本に新産業を作りたいとの夢を見て、宇宙ビジネスの世界に知識ゼロで飛び込んだ元商社マンです(永崎将利『小さな宇宙ベンチャーが起こしたキセキ』アスコム)。

 永崎社長三井物産(株)に務めていましたが、脱サラして2014年にナガサキ・アンド・カンパニー(株)を設立し、AOKI起業家育成プロジェクトに参画しました。さらに「世界に誇る新しい産業、そして企業を、この日本に作りたい」という大きな夢を実現したいと、2017年に日本初の宇宙商社であるスペースBD(株)を設立しました。2018年には、東京大学業務委託契約を結び、JAXA初の民間事業化案件の事業者に選定されて、国際宇宙ステーションからの超小型衛星放出事業に参画することとなりました。以後、JAXAから民間事業化案件の事業者に3回選定され、今年5月にはJAXAの民間パートナーに選ばれました。

 宇宙産業についての知識は皆無だった永崎社長ですが、日本ベンチャーキャピタリスト協会の赤浦徹会長や(株)AOKIホールディングスの青木拡憲会長などのサポーターに支えられながら、謙虚に学ぶ姿勢で人脈を作り、優れたビジネスパートナーや従業員に恵まれました。

 「ビジネスは縁と運と恩」という永崎社長は教育事業にも関わっており、1月9日には、日本政策金融公庫主催の「高校生ビジネスプラングランプリ」で特別講演の講師として、全国の高校生たちに起業の夢を追うことの楽しさを語ることになっています。

 永崎社長の語る言葉が高校生たちの夢を育み、我が国に新産業を興す力となることを期待しています。